企業の未来を象徴するブランド
ミツカンは2019年3月5日、同社初のD2Cブランド「ZENB(ゼンブ)」をローンチした。コンセプトは、「『食べる』のぜんぶを、新しく。」。商品開発の段階からデザイン面に力を入れ、売上も昨年比8倍と成長している。国内外で商品を展開するミツカンはなぜD2Cのブランドを立ち上げたのだろうか。
ユーザーの心を動かす D2Cブランドのデザイン戦略
ブランディングからプロモーション、サービス開発などを行うクリエイティブエージェンシー PARKは、メンズスキンケアブランド「LOGIC」を立ち上げた。泡洗顔とミスト化粧水の2商品を現在展開する。初の自社オリジナルプロダクトとなり、商品開発はもちろん、デザイン、物流、EC運営までを担う。
「LOGIC BOX SET」。(左から)ロジック フォーミングウォッシュ(泡状洗顔料)、ロジック マイクロミストローション(ミスト状化粧水)。
LOGICは仕事に打ち込むプロのために、ミニマルなスキンケアを通じてさらなるパフォーマンス向上を提供することを目指す、メンズスキンケアのブランドだ。発案者でPARK アートディレクター 佐々木智也さんが事業責任者となり、必要に応じて社内外の協力を得ながら運営している。
立ち上げの経緯について、佐々木さんは次のように話す。
「当社ではスタートアップやベンチャー企業を中心に、ブランディングやクリエイティブのお手伝いをしています。そうした仕事を通して起業家や経営者のお話を聞けば聞くほど、自分もプレイヤーとして事業に取り組んでみたいという気持ちが高まってきました。さらに3~4年ほど前から女性向け化粧品ブランドの立ち上げに関わるようになり、化粧品の世界にのめり込んでいきました。でもそれと同時に男性向けの化粧品に対していろいろな課題や不満が見えてきたんです。そんなときにちょうど、D2Cという潮流がありました。僕らがこれまで取り組んできたクリエイティブがアドバンテージを持てる部分が他の事業よりも高いんじゃないかなと、参入に踏み切りました」。
目指したのは「ワークツール」としてのスキンケア。ブランドの理念に「メンズスキンケア市場に新たな選択肢をつくる。」と掲げている。対人コミュニケーションの多いビジネスパーソンにとって、身だしなみは大事な要素である。その一方で、スキンケアは見過ごされがちだ。「男性のスキンケアは男らしくない、あるいはモテたい人のためのもの、という見方がこれまで強かったように思います。仕事で良いプレゼンをしたくて良いジャケットを買うように、仕事の嗜みのひとつとして、男性にもスキンケアの習慣を取り込むことができればと考えました」(佐々木さん)。
いざブランドを立ち上げるとなると、やるべきことは盛りだくさん。まずは、プロダクトの開発だ。そこで大切にしたのは、「わずらわしさから解放し、可処分時間を少しでも増やす。」「お作法やコツなどいらず...