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New normalをつくりだすデザイン

生活者に寄り添うポジティブな気持ちを与える広告

松浦良高(マッキャンエリクソン)

コロナ禍では、さまざまな制限、苦境が立ちはだかる。そういった状況下において、さまざまな企業がポジティブな発信を行った。ここでは、マッキャンエリクソンの松浦良高さんが社会貢献施策を中心に紹介していく。

コロナ収束後の世界を見据えて

新型コロナウイルスの感染状況は、毎週毎週のように状況が変わるが、それはさらに国によって状況が大きく異なる。欧米諸国では大きな被害が出た国が多く、まだ混乱期が続いているといえるが、ニューヨークではオフィスに戻る会社が出てきていたり、ロンドンで新型コロナによる死者がゼロになったり、完全収束とはいかないものの、徐々に収束後の世界も見え始めている。

そういった中で、広告コミュニケーションも当初のソーシャルディスタンスを単純に訴求する内容からの変化が見られる。生活者は長引く自粛生活に飽き飽きしているし、家庭にいて子どもの世話もしながらも仕事もするという新たな状況にも慣れてきている。こういった状況を捉えて、広告は生活者の気持ちに寄り添うものが増えている。また、今後も続くであろう、リモートワークという新しい生活のスタイルを前提にしているものも見られる。

そしてご紹介する広告キャンペーンに共通して言えるのは、どのブランドも大変な時期だからこそ広告により生活者や社会にポジティブな気持ちを与えようとしていること。これらの欧米の事例を見ていると、広告には人々に前向きなエネルギーを与える重要な役割があるのだなと改めて再認識させられる。

「Thank you, doctors」

フロントラインで働いている医療従事者に対するサポートと感謝のために制作された広告。医療従事者の写真であるが、注意深く見ると医療マスクの跡ではなくて、ヒーローマスクの跡ができている。名も知らない一人ひとりの医師が偉大なヒーローであるということをクリエイティブに伝えている。屋外広告の媒体社の協力も得ながら、ヨーロッパで広がり、医療従事者への感謝と、未来に向けた前向きな気持ちを伝えようとしている。

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