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New normalをつくりだすデザイン

米国の事例にみる広告・コミュニケーションのNew Normal

Wunderman Thompson Intelligenceが毎年公開するレポート「The Future 100」は、その年の年間予測をまとめ、消費者を惹きつけうるトレンドを提示するものだ。新型コロナ禍を経た今月、今年1月に発表された「The Future 100 2020」のフォローアップとして「2.0」バージョンが発表された。ここではそのうち、特に広告界の「New Normal」を示唆する事例に絞って紹介する。

『Dazed』の「#AloneTogether」キャンペーンでは、33人のアーティストが作品を制作。そのひとつ、Jonas Lindstroemさんの作品。

消費者の新たな評価基準

感染拡大、死者の急増、経済問題、政治問題──世界中の人々がこれまでになく厳しい状況に陥ったコロナ禍で、人々はこれまで以上に「Good News(良いニュース)」を求めた。米国では、2020年4月の第2週に「良いニュース」のGoogle検索が急増し、過去5年で最高値を記録したという。翻ってここ日本でも、同じ期間の「明るいニュース」の検索数は、過去5年で断トツの最高値。暗いニュースに疲弊した人々が、ポジティブな情報を求めているさまが顕著になった。

この状況で、Nikeはオールスターアスリートとのコラボレーションによるキャンペーンを発表。「now more than ever, we are one team(今まで以上に、私たちは1つのチームだ)」というメッセージを掲げて、家で時間を過ごすことを奨励した。日本国内でも、自社製品の訴求はさておき、ポジティブなメッセージを発信した企業は枚挙にいとまがない。

広告・コミュニケーションからさらに、商品開発に手を伸ばした企業も多数ある。LVMHは3月中旬に、香水の生産ラインをフランスの保健当局向けの消毒剤の製造に切り替え、電子機器メーカーのFoxconnは2月上旬にサージカルマスクの生産を開始し、General Motorsは3月に米国政府向けの人工呼吸器の生産計画に協力した。

この動きを、消費者はどう見ているのだろうか。それを可視化するサービスがある。「Did They Help?」 は、コロナウイルスの感染防止に貢献したブランドや有名人を「ヒーロー」としてリストアップし、従業員や社会に対して良い行いをするごとに1ポイントを付与するサイトだ。その裏には、従業員を解雇したり、ウイルスに関する誤った情報を提供したりするなど、マイナスの影響を与えたブランドの“zeroes”リストがある。

「企業が良い評判を得るためには、善行をしっかりと行わなければなりません」と、Webサイトの創始者Pooj Morjariaさん。今回のパンデミックから、「企業や著名人の責任を問うための新しいランキングシステムや価値観が生まれるのではないか」と話す。

LVMHは、手指消毒剤を製造(Courtesy of Bloomberg Quick-Take via Twitter)。

コロナ禍において、社員や社会をサポートする「良い行い」をしたブランドや有名人を格付けするサイト「Did they help?」。

新しいデジタルコミュニティ

感染防止のためソーシャルディスタンスの確保が叫ばれ...

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