社内にデザイナーを抱え、さまざまな企画・デザインを行っているオイシックス・ラ・大地。コロナ禍、その体制によって、掲げる理念をもとにしたさまざまな施策が行われた。どのような背景があったのか、話を聞いた。
食生活を楽しくサポートする
有機や特別栽培野菜など、安全性に配慮した食品宅配を行っているオイシックス・ラ・大地。より多くの人が、よい食生活を楽しめるためのサービス提供を行う。新型コロナウイルス感染拡大時にも、その理念をもとにさまざまな取り組みを実施。運営するOisixで企画したその一部を紹介する。
全国の学校の臨時休校を受け、給食向けの牛乳の供給先に困っている酪農家の緊急支援。子どもに自宅でも学べる機会を提供する、調理実習が自宅でできるアクティブラーニング商品の展開。休業せざるを得なくなった飲食店の食材の応援販売。医療従事者への食を通したサポートを目的とする、食品の物資支援を行うプラットフォーム立ち上げなど、各ステークホルダーのニーズに沿った施策を行った。
「日ごろから社会的な課題を考えて活動をしていたため、有事の際にいかに早く動くか、という姿勢がもともと根付いていました」と、オイシックス・ラ・大地の斎藤佳奈さん(OisixEC 事業本部 サブスクリプション進化室 デザインセクション デザイナー)、髙橋凪沙さん(サービス進化室 デザインセクション デザイナー)は話す。東日本大震災が起こった際にも支援活動を行っていた。
また今回、「ステイホーム」をキーワードにした施策をいろいろと行っている同社。そのきっかけは、クリエイティブディレクターに就いている水野学さんが、「#StayHome」という言葉を追加した同社ロゴを、このコロナ禍を受けてすぐに制作したことにある。事業部門の中で、話し合いを行い、このロゴを旗印に何ができるかということを考えたのだ。
「日ごろからお客さまに楽しんでもらうということを意識してデザイン制作を行っていました。そのため、いつもとは異なる自粛生活に戸惑っている人たちに、いかにポジティブにこの時期を乗り越えていただくかを考えました」と髙橋さん。社会問題を真面目過ぎずに楽しく解決していく、オイシックス・ラ・大地の姿勢が見えてくる。
同社には、所属しているデザイナーが全社で40名ほどいる。企画、Web、紙、パッケージ、UIなど、普段はそれぞれの部署で業務を行っている。しかし今回は、担当領域など関係なくやれることをやる、総力戦という形をとった。顧客の状態を見ながら、プロジェクトチームとして臨機応変に対応していった。楽しくステイホームを行ってもらうために、4月から6月までにどういった施策を行ったのか。
第一弾としては...