放送法4条の撤廃にテレビ・新聞業界が反対
政府が検討中とされる放送法4条の撤廃を含む「放送制度改革」の内容が、メディアを揺るがしている。テレビ各局と新聞各紙はそろって反対を表明。検討の受け皿となる「規制改革推進会議」の答申案には具体的な4条撤廃の文言はなかったものの、通信・放送の融合下での放送のあり方が引き続き議論されるため、予断を許さない状況となっている。
政府の検討する「放送規制改革」の内容は、3月15日の共同通信の配信を皮切りに新聞各紙が報じた。報道によると、政府は、(1)テレビ・ラジオなどの放送事業とインターネットなど通信事業の規制を一本化(2)放送法4条(番組編集準則)など放送事業特有の規制の撤廃(3)放送局のハード事業とソフト事業の分離の徹底(4)NHKに関しては、放送内容に関する規律を維持する、としている。
さらに、「政府はこれらの規制撤廃で『放送(NHK除く)は基本的に不要に』なるとしている」などとも一部では報じられた。この政府の方針は、当初「規制改革推進会議」で5月にまとめられる答申案に具体的に盛り込まれるとされた。
放送法4条は、放送事業者が放送番組の編集にあたり(1)公安及び善良な風俗を害しないこと(2)政治的に公平であること(3)報道は事実をまげないですること(4)意見が対立する問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすることを求めている。
一方、4条同様の政治的公平原則(フェアネスドクトリン)を撤廃したアメリカでは、放送局の偏った主張の展開が可能となり、その影響もあってかフェイクニュースが社会の分断を助長するなど問題となっている …