システムと業務改革でデジタル部門の強化目指す
新聞社がデジタル事業に取り組み始めて20年以上が経過している。編集局のデジタル対応、広告単価や外販価格の安さ、紙の購読料との価格差─。これらの難題が立ちはだかり、収益化はいまだ試行錯誤の段階だが、課題解決に向けた新たな取り組みが相次いでいる。
その中で現在、大きな注目を浴びるのが毎日新聞社だ。今秋から、新しいシステム「MIRAI」へ順次移行する。これは記事や写真の出稿・管理を行う素材管理システム(CMS)で、新聞社では従来、紙面を構成する組版システム(CTS)が中核に据えられていた。紙面こそが新聞制作の中心で、デジタル対応が進んでも、記者のワークフローは朝刊・夕刊発行が柱だった。
この、システムの中核をCTSからCMSに切り替え、紙とデジタル双方に対応した仕組みの構築を目指すというものだ。「紙が先」「デジタルが先」という議論ではなく、多くのコンテンツを作り、販売する「コンテンツファースト」の理念を打ち出している。システム改革と同時に、社内のワークフロー改革を打ち出し、新しい収益の柱としてデジタル部門の強化を加速する …
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