パッケージの解体
先日、日本経済新聞社が英国のフィナンシャル・タイムズ(FT)グループを約1600億円で買収するというニュースが流れたので、新聞の話題を一つ紹介する。
インターネットが既存のメディアビジネスに与える影響のひとつに、パッケージの解体がある。たとえば、新聞社が作る紙面を解体し、自分の読みたい記事だけを買ったり、好きな記事だけの紙面をカスタマイズする。そんなインターネットのオンデマンド(自分で好きなときに好きなものを楽しむ)な風潮に合せた試みが新しいとされてきた。
オンデマンド性の獲得は、紙では実現不可能なため、新聞社はインターネット上にコンテンツを提供、ネットメディアと情報提供の利便性を競った。
そして、FT紙のような専門性の高い記事を作れる新聞社は読んだ分だけお金を払う従量課金制などを導入するなど、このデジタル時代を凌いできた。
キュレーション力とパーソナライズの両立
ところが、デジタル印刷に詳しい山下潤一郎氏(ブライターレイター)によれば、そんな環境をデジタル印刷機が変えようとしているという。
同氏が主催するカンファレンス「未来の新聞研究会」では …
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