日経、英紙FTを1600億円で買収
日本経済新聞社は7月23日、英経済紙フィナンシャル・タイムズ(FT)グループを英教育・出版大手のピアソンから買収すると発表した。8億4400万ポンド(約1600億円)でFTの全株式を取得する。買収するのはFTグループ傘下にあるFT紙やウェブサービスなどで、ピアソンが所有するFT本社ビル(ロンドン)や、FTグループが保有する英経済誌エコノミストの株式(50%)は対象外。
日本のメディア企業で過去最大規模といわれる海外メディアの買収劇は、国内だけでなく欧米の報道機関でも大きく報じられた。英紙ガーディアンは「(ロンドン金融街)シティーの象徴、日本企業に売却」と伝え、ロイター通信は「世界の一流経済紙」買収を「クーデター」と表現した。米紙ニューヨーク・タイムズは「メディア界のグローバル化への動きを浮き彫りにした」と報じた。
デジタル戦略に成功した世界の有力経済紙
FTは1888年創刊で、米国のウォールストリート・ジャーナルと並び国際ブランドを確立している有力経済紙。政財界人や知識人に広く読まれ、影響力は大きいといわれる。1995年に電子版を始め、2013年には世界での紙の新聞発行を5版から1版に減らす方針を発表するなど、電子版を優先する「デジタル・ファースト」戦略を推進してきた。紙と電子版を合わせた購読者数は73万で、うち有料電子版の読者が50万人に上る。日経は、購読者数が316万、うち約43万人が電子版の有料購読者だ。
グローバル化とデジタル化推進へ
「日経が成長を続けるにはグローバル化とデジタル化の推進が不可欠だ」。日経の喜多恒雄会長は7月24日 …
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