4月にモーサテの解説キャスターに就任した大浜平太郎さん。WBSでは20年以上サブキャスターを務め、広報担当との関係性も築いてきた。そんな大浜さんが、応援したくなる広報の共通項とは?

テレビ東京 報道局 ニュースセンター 解説委員
『モーニングサテライト』解説キャスター 大浜平太郎(おおはま・へいたろう)
テレビ東京報道局解説委員。父親の転勤で北海道や東北を経て、小学3年生から東京育ち。1993年入社。1995年にWBSサブキャスター。1998年スタートの「トレンドたまご」で初代リポーター。その後も多くの企業取材を続け経済リポートの先駆者に。2008年から2014年3月まで夕方ニュースのメインキャスター。ほかに『未来世紀ジパング』などの経済番組も担当。趣味はドライブと読書。
4月に夜の『WBS』から朝の『Newsモーニングサテライト(モーサテ)』に異動して、今までとは真逆の生活になりました。広報の方との夜の飲み会も遅くまではいられなくなってしまいました(笑)。
それぞれ1日の終わりと始まりに欠かせない経済情報をお伝えする番組ですが、違いはニュースの「入口」にあります。WBSでは、ひとつのテーマを新商品やサービス、企業戦略から掘り下げますが、モーサテはマーケットを読み解いていくのです。
私の役割は解説キャスター。ただ、コメントを述べるだけでなく、「大浜見聞録」という不定期コーナーなどで週に1~2回は取材に出ています。日々のニュースを追いかけていたWBS時代とはまた違う、新しいチャレンジをさせてもらっています。今後はモーサテらしい投資家目線での取材にも挑戦して、番組に厚みを出していきたいと思っています。
裏切るような報道はしない
ここ数年は、東芝やシャープなど、経営悪化や不祥事で危機に陥った企業の取材に力を入れてきました。当該メーカーだけでなく、経産省、投資家、銀行など各ステークホルダーの方々に話を聞いてみると、それぞれきちんと正義感を持って主張していらっしゃったので「何が正しいのだろうか」と難しさを感じました。
ただ、我々が不祥事取材の際に一番大切にしているのは「この状況はどうしたらよくなるんだろう」ということです。社長の記者会見でも、私はよく「本来はこういうはずじゃないんですか?」といったように、本音を引き出すための質問をします。状況の説明だけでなく、本音が聞きたいんです。
その思いは、渦中にある企業の社員の方も同じだと思います。有事の際は特に、社長が社員に対してなかなか本音を言えないので、仲の良い社員の方から「うちって今どうなってるんですか」と聞かれることがあるくらいです …