
「ナポリの窯」のウェブサイトでも放送実績を紹介している。
ネット上で「神回」「告発回」などと騒がれた『ガイアの夜明け』のシリーズ企画「外食王3 ~追跡!異次元サバイバル~」(2018年7月17日放送)。番組内で取り上げられたストロベリーコーンズ(仙台市)運営のピザチェーン「ナポリの窯」の新型店舗をめぐって、Twitterやまとめサイトで批判的な意見が交わされ大炎上した。
同社の広報担当によると、社内での議論の結果、炎上に対しては「静観する」と判断。注文のキャンセルなどの影響もなく、むしろ放送月のフランチャイズチェーン(FC)加盟に関する問い合わせが、通常の40倍の約200件にも上ったという。
炎上しつつもネガティブな影響がほとんど見られなかった理由について、広報担当は「視聴者層によって、番組内容の受け止め方が違ったからでは」と推測している。
シリーズ「外食王」は、「外食大国・ニッポン」でいかに競争を勝ち抜くか、に迫った企画。「ナポリの窯」の登場回では、"常識を超えた戦略"で課題に立ち向かう飲食店が特集された。
全国に110店舗を展開する「ナポリの窯」が抱える課題は「人手不足」。特に少子高齢化が著しい地域の店舗では、学生アルバイトの確保が難しい状況だ。番組でも、徳島中央店(徳島市)のFCオーナーが注文の受付から調理・宅配までを一人でこなす様子が取り上げられた。
ワンオペではお届けまでの時間が長くなり、その分注文数が減ってしまう。この現状を打開するために同社がとった施策が「"脱"宅配」。ワンオペが可能な持ち帰り専用の新型店舗を開発し、徳島中央店を移転する形でその1号店とした。
放送後、Twitterなどには「店舗の人員を増やすのではなく、ワンオペができるような店舗をつくる」という発想についての批判が相次いだ。その一方で、問い合わせのあったFC加盟希望者の約90%がワンオペ希望で、視聴者の評価が二極化した。
広報担当は「ワンオペは、駅構内のKIOSKなどにも導入されている効率的な店舗経営・運営の方法だが、一部の方にとっては"ワンオペ=ブラック"というイメージが浸透してしまっているようだ」と話す。
新型店舗は商業施設の駐車場の空きスペースなどへの出店を見込んでおり、従来からワンオペが当たり前のたこ焼き店や鯛焼き店と同様の形態だ。そのため「ワンオペを批判したり否定したりする理由はない」として、炎上については静観した。
実際には、労働基準法の遵守はもちろんのこと、1店舗につき2人のスタッフが交代で運営するなど、ワンオペでも働きやすい環境を整えている。同社は「人手不足は深刻になる一方。今後も時代に合わせて環境整備を強化していきたい」としている。

徳島中央店を移転し「"脱"宅配」1号店となった小松島店。小松島大丸百貨店の駐車場の一角にあるプレハブだ。看板商品は徳島名物のフィッシュカツと大野海苔を使用した「ピッツァとくしま」。