次の30年に向けてスタートを切った『WBS』で、「新戦力」として中核を担うのが日本経済新聞編集委員の滝田洋一氏と、日経ビジネス編集員の山川龍雄氏の2人。キャスターとしての葛藤や、取材先での広報対応について、語っていただいた。

日本経済新聞 編集委員『WBS』解説キャスター 滝田洋一(たきた・よういち)
1957年1月生まれ。1981年慶應義塾大学大学院修士課程(法学研究科)修了後、日本経済新聞社入社。証券部、金融部、チューリヒ支局、経済部、米州総局編集委員(ニューヨーク)などで勤務。論説副委員長を経て2011年から編集委員。リーマン・ショックに至る国際金融危機の報道で2008年度のボーン・上田記念国際記者賞。
私は日経新聞の記者として、長年国内外で「金融」を専門に取材してきました。金融は経済全体とも密接に絡む分野なので、ある程度の知識は網羅できていると思っていましたが、その認識は違いました。解説キャスターとして様々なニュースに触れていると、「いかに知らない世界が多いか」が身に染みて分かりました。特にトレンドものや消費まわりの話に疎く、自宅に帰って家族に話すと「そんなことも知らなかったの!」と指摘されることがあります……。
「伝え方」についても、文字と言葉ではまったく異なります。後から修正できる新聞原稿に比べて、生放送のWBSでは一度口から出た言葉は撤回できないですから …
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