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広報担当者のためのSDGs入門

事業成長と持続可能な開発を両立し、「解体屋」から「静脈産業」へ

会宝産業 近藤高行氏

日本の地域は今、深刻な少子高齢化や、自然破壊に直面している。そんな地域から世界までを見渡し、持続可能な社会に実現に取り組む会宝産業にSDGsへの考え方やPR活動の重要性を取材した。

KANAZAWA/会宝産業

「古くは"解体屋"と呼ばれていた我々の事業が、"静脈産業"として地位を確立できる社会をつくりたい。SDGsがそのきっかけになると思います」。

1969年に創業し、小さな町工場から85カ国で展開するグローバル企業へと成長した会宝産業(金沢市)。同社代表取締役社長の近藤高行氏は、SDGsと自動車リサイクル業を紐づけることで、目標達成のためになくてはならない"静脈産業"としての認知を高め、業界全体で成長していける機会になると考えている。

ノウハウを世界に提供

不要になった自動車を解体し、部品として再利用する事業などを行う同社。日本では2005年に完全施行された自動車リサイクル法で安全な解体方法が仕組み化されたが、ノウハウがないアフリカの国々などでは有害物質が垂れ流しになっていた。

事業をグローバル展開する中でその現状を知った創業者の近藤典彦氏(現代表取締役会長)は、"日本だけがしっかり対応していればよいという問題ではない"と考え、環境に配慮した自動車リサイクル・バリューチェーンを海外にも構築しようと動き出した。

具体的には、ケニアやナイジェリアなどに、「自動車リサイクル工場の設備」「生産工程」「リサイクル技術・経営ノウハウ」の3点を統合した自動車リサイクルシステムを提供。現地の政府・民間企業と協働し自動車リサイクル政策の立案サポートも行っている …

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