日本唯一の広報・IR・リスクの専門メディア

           

明日から実務に役立つ デジタルPR活用術 PR TIMES

従来の「報道資料」から変化 開かれたプレスリリースへ

PR TIMES

オンラインの情報流通構造が複雑化し、広報の手法も変化しています。全12回シリーズで、デジタルPRの基本と戦略に活かすヒントを専門家がお届けします。

    今回のポイント

    (1)情報過多の中で届く企業コンテンツとは

    (2)「プレスリリース」は広報業務の入り口に

    (3)リリースの効果を最大化するアレンジを

財務情報や株式情報などの適時開示が求められる上場企業だけでなく、中小企業やベンチャー企業、個人事業主、あるいは自治体・団体においてもプレスリリースを活用して自社の情報を発信しようとする動きが加速しています。経営・人事の動きを中心とするコーポレート情報はもちろんのこと、商品・サービスや業界トレンドなどに関する情報を目にする機会が増えました。

その背景にあるのは、プレスリリースを発信する事業主体の増加です。広報関連部門が企業単位で発信するだけでなく、マーケティング部や事業部などがプロモーション・営業活動の一環でプレスリリースを作成する機会が増えているのです。

広報関連部門としては「知らないうちに他部署で情報が発信されていた」「公式情報を一元管理できない」といった事態を避けるために、社内の情報共有・管理の仕組みを整理することが今後さらに求められていくかもしれません。特にデジタル上を中心に情報過多となっている状況下では、「ニュースの文脈のなかで話題化する」というPR効果に対する期待やニーズがより高まってきていることの表れであるともいえます。

リリースの起源とデジタル化

そもそも、プレスリリースの起源は20世紀初頭までさかのぼります。1906年にアメリカでペンシルバニア鉄道の脱線事故が発生し、新聞社向けに公式資料を作成したのがプレスリリースの始まりと言われています。その担い手となったのが、「パブリックリレーションズの父」と言われ、世界初の広報エージェントとして活躍したアイビー・リーです(参考:河西仁『アイビー・リー』、同友館)。

この歴史的な出来事からおよそ一世紀が経過し、1990年代から2000年代にかけてプレスリリースを取り巻く環境に画期的な変化が訪れます。企業サイトの開設や報道機関などにリリースを一斉配信する「ワイヤーサービス」のデジタル化が進み、ウェブサイト上にもプレスリリースを公開する場が広がりました。

従来、記者向けに配布していた報道資料の内容が、一般の消費者の目にも触れるようになったのです(図1)。さらにSNSの普及によって、メディアの手による記事化を経ることなく「プレスリリースの内容がそのまま拡散する」という現象まで起きるようになりました …

あと59%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

明日から実務に役立つ デジタルPR活用術 PR TIMES の記事一覧

従来の「報道資料」から変化 開かれたプレスリリースへ(この記事です)
ニュース循環の活性化とキュレーションメディア
メディアの「時差」活用で情報の拡散につなげるには?
ニュース循環の仕組みとデジタルPRの変化
広報会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する