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広報担当者のためのSDGs入門

2025年の大阪万博誘致を見据え、関西で広がるパートナーシップ

関西SDGsプラットフォーム

近畿経済産業局が事務局を務める「関西SDGs貢献ビジネスネットワーク」は3月にキックオフ会合を行い、定員を超える320人が参加した。

SDGsの「実装」に向けて、関西でも大きな動きがある。2017年12月、近畿経済産業局、国際協力機構(JICA)関西国際センターと関西広域連合が「関西SDGsプラットフォーム」を設立。オムロン、サントリー、サラヤなど関西を拠点とする企業をはじめとして、自治体・政府機関、NPO・NGO、大学・研究機関といった約280の企業・団体が加盟し、持続可能な社会の構築に向けて連携を強めている。

近畿経済産業局 通商部 国際課長の橋本俊次氏によると、プラットフォームの目的は、(1)関西の企業や団体にSDGsの重要性をアピールすること(2)各アクターの連携と協働によってSDGsの達成に資する新しいアイデアや取り組みを生み出すことの2点。シンポジウムや勉強会を開催するほか、SDGsに貢献している加盟団体の活動を広報・発信する役割も担っている。

設立の背景には、政府が地方創生の観点から「地方でのSDGsの推進」に力を入れていることが挙げられる。橋本氏は「関西は中小企業が多く、SDGsの認知度はそれほど高くはない」と課題を感じていたが、プラットフォーム設立後は少しずつ関心度の高まりを感じているという。実際に、3月に行った分科会「関西SDGs貢献ビジネスネットワーク」のキックオフ会合には、250人定員に対し320人の参加があった。

また、同局は管轄する2府5県(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)の企業を訪問し、SDGsへの理解を促している。「SDGsは企業ブランド価値の向上に役立ち、新たなビジネスチャンスになることを説明しています」と橋本氏。

大阪では、2025年の万博誘致に向けて世界からの注目が集まっている。つまり、地元の企業にとっては世界にアピールするチャンスでもある。関西では、水・医療・防災・ものづくりなど、多様な分野の技術と経験を有する企業が多く、途上国を含めた世界中の問題解決に取り組むポテンシャルがあるという点もアピールポイントになる。

「今後は、関西の企業のSDGs推進の様子を海外に向けて発信することで、海外展開支援に取り組んでいきます」と橋本氏。プラットフォームを通して、関西がアウトバウンドとインバウンドの中心になることを目指す。

なお、1都10県を管轄する関東経済産業局も、長野県と連携して2018年度に「地域SDGsコンソーシアム」を試行的に立ち上げる。SDGsを活用した地域企業のビジネス創出や、価値向上に効果的な手法などの整理・検討を行う予定だ。

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