2017年12月、金沢工業大学はSDGs推進センターを設立した。同センター長を務める筆者が、世界共通言語となった「SDGs」と日本の地方企業が持つ力の融合によるビジネスの可能性を提言する。
SDGsがいま日本中で注目されています。国連全加盟国が合意をしている17個の目標。国連の活動というと海外の話と思いがちですが、SDGsはいまや日本における地方創生の核となるコンセプトとして定着しつつあります。実際に、数多くの自治体の県知事や市長が地域におけるSDGsの達成に向けた活動に注力することを宣言しています。既に北海道下川町や福岡県北九州市による持続可能な地域づくりがモデルケースとして知られるようになりました。
また、この夏にも日本政府が日本を代表してSDGsの達成を目指す自治体をSDGs未来都市として30都市選定する予定です。そうした地域では、自治体だけではなく、市民団体、教育機関、経営者団体、企業など様々な組織が自発的にSDGsの達成を目指した活動を展開しています。
私が所属する金沢工業大学は、SDGs教育を推進する大学として政府による「ジャパンSDGsアワード」を受賞しており、実際に様々な地域でのSDGs貢献活動に協力しステークホルダー間の連携を結びつけるハブとして機能するとともに、SDGs世代を担うリーダー候補を育成し社会に輩出しています。

2017年秋、都内で開催された「グローバルフェスタJAPAN」でピコ太郎さんとともに。
地方とSDGsビジネスの相性
さて、こうした状況の中で、地球規模の課題に関わるビジネス市場において、SDGs以前の状況と大きく異なっているのが、地方の経営者が主体的に活動を推進していることです。私は日本各地でSDGsに関するビジネスを立ち上げたいという経営者を支援していますが、経験上、本気でSDGsに取り組んでいるのは、30~40代の敏腕経営者が中心です。
彼らは、時代の流れを読みながら市場に求められる事業を生み出してきた経営者です。第一線で活躍し、売上・利益といった経営的な成果を示してきたため、多くの経営者から教えを請われています。
それでは、なぜ彼らがこぞってSDGsビジネスに取り組み始めているのでしょうか?主に4つの理由があると考えられます …