今回は、仮に「パワハラによる問題が発覚した」という設定でクライシス発生時の広報の「水面下の動き」をシミュレーションしてみよう。
「パワハラを受けた」という社員がSNS上に告発。
ネット上は炎上寸前で、対策会議は荒れ模様…。
STEP 1 初動対応
発覚~3時間以内
何らかの問題が発覚した場合、危機管理本部や対策本部と呼ばれる密室の対応本部が組まれ、対応方針を決めるが、事案発生(または把握)後3時間以内が分かれ目となる。情報の収集から集約、整理までを一気に行いたい。
初動対応のフロー
(1)広報担当内の責任者(部長)と危機管理担当者を中心に対策本部を設置
(2)何が起きたのか、事実関係を正確に把握
(3)3時間以内で全社の対応方針を決定
対策本部長を中心に状況把握に努め、被害者や取引先、株主、社員などそれぞれの対応を決定する。即断即決が原則。
(4)対策本部の役割分担を決める
情報収集班→すべての情報を迅速に集める
情報集約班→情報収集班が集めた情報を、時系列、対象者、事象内容などに分けていく
情報整理班→集約された情報を元に想定問答(Q&A)を作成
あらかじめ役割分担を決めておく。また、広報だけでなく他部署から応援を募る場合、問題が発覚した部署と連携した役割分担を行っておくとよい。
(5)マスコミ用コメントを準備
マスコミからはコメントを必ず求められる。平時にクライシスを想定して作成しておくこと。その際、(A)謝罪すべき案件か(B)単なる説明で留めるのか、をしっかり区別する。
よくある質問
Q.初動対応で広報が果たすべき役割は?
A.「世の中の風を捉えた対応かどうか」をチェックすべし
対策本部で広報担当者は以下の点に目を光らせ、進言するのが役割だ。パワハラに関する世論も踏まえた上で対応したい。
マスコミから問い合わせが殺到!
鳴りやまない電話に、どう対応したらいい?
STEP 2 電話対応
発生3時間後~半日後
よく電話口で記者に対して「記者会見ですべてお話しますので」という常套句が使われるが …