ネタがない時、欲しい情報がある時、いつもメディアから頼りにされる“ネタ元”と呼ばれる広報がいる。メディアと信頼関係を深めるためのポイントについて、メディアが指名するベテラン広報に聞いた。
Q. ゼロから人脈を築くには
何をすれば良い?
「私なんて、ただ長いだけですよ」─。製造100年を超える「宝焼酎」や「松竹梅」などを販売する京都の老舗酒造メーカーである宝酒造の環境広報部課長補佐の奈良有里代さんは、そうコロコロと笑う。同社が、東京に広報の拠点を置いた1993年、新卒で入社し、以来22年間にわたり広報一筋で現場に立ち続けている。主要メディアが集積する東京でのメディア対応を一手に引き受けて、今や酒造・飲料メーカーを担当したことがある記者にとっては、知らない人はいないほどの“名物広報”だ。
入社直後は、東京に拠点を置くメディアとはほぼリレーションがなく、「雑誌のお酒の特集でも、当社のお酒だけ載っていないこともよくあった」と語る奈良さん。ゼロから関係を築くため、どのように取り組んだのか?
指名の理由はここ!
雑誌を中心に
幅広い人脈あり
週刊誌 編集長 B氏
奈良さんは20年近く現場で広報として活躍していらっしゃって、特に雑誌メディアと強固な人脈を築いている、頼りになる広報さんです。宝酒造のマスコミ勉強会で知り合いましたが、もうかれこれ15年近く、“飲みニケーション”しています。
宝酒造 環境広報部課長補佐
奈良有里代さん
必要以上に落ち込まない
入社直後は、記者クラブを回ったり、「商品写真を使いたい」という出版社に商品を手持ちしたりと、文字通り足で人脈を稼ぐ日々だった。しかし、初めは冷たくあしらわれることも少なくなかったという。
今回、編集部が実施したアンケート調査でも …