不動産仲介大手の野村不動産アーバンネットは、2016年からICTを活用した接客サービスに力を入れてきた。コロナ禍ではオンライン内見を通じて成約に至るなど、成果も出ている。
中古物件や新築分譲マンションの仲介・販売事業を行う野村不動産アーバンネット。数千万円から数億円の商品を扱うため対面での接客を基本としつつ、不動産テックを活用してリアルとオンラインを組み合わせたサービスも展開している。
4年前からICT活用を推進
同社がICT活用を強化したのは2016年。2001年に不動産情報サイト「ノムコム」の担当として設立されたノムコム推進部(2019年4月からデジタル推進部に改名)が中心になって取り組んできた。
まず2017年には「ノムコム」上に「VRホームステージング」を導入。空室物件を360度カメラで撮影した写真にCGの家具や小物を配置し、物件を魅力的に演出するサービスだ。見学したい物件をあらかじめオンラインで絞り込むことができるため「効率的に物件探しができる」と好評で、現在までに100件以上の成約につながっている。
デジタル推進部 部長の井口智司氏によると、空室物件はがらんとした印象があって狭く感じたり、入居後の生活イメージが持ちづらかったりする。そうした課題を解決するために導入したという。
VRのため、多くのコストをかけずに物件の良さを伝えられるというメリットもある。2019年には居住中物件の写真から元々あった家具を消して、空室を再現したり、CGで新たな家具を配置したりできる機能も追加。物件の売り手に提案するサービスのひとつとして活用し、他社との差別化を図っている。
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