複数の保険会社の商品から保険選びができる「保険クリニック」を全国に226店舗(6月18日時点)展開するアイリックコーポレーション。対面営業が主流の保険業界だが、5月からオンライン相談を開始し好評を博している。
オンラインで若年層の開拓へ
──新型コロナの感染拡大とともに、保険の需要が高まっていますね。「保険クリニック」は5月に56店舗を一時休業した一方で、同月にスタートしたオンライン保険相談が伸びています。
5月7日~8日にかけて当社でウェブアンケート(対象は全国の男女20~65歳1400人)を実施したのですが、その結果によると新型コロナの感染拡大を受けて保険の見直しや加入を検討した方は13%に上りました。保険の検討に使用した手段としては「インターネット」が最も多く、「保険の営業職員に対面で相談した」の2倍以上になっています。
当社では、こうした結果も踏まえて5月19日に「オンライン保険相談」をスタートしました。保険の新規加入や見直しなど生命保険に関する様々な相談を、専任のコンサルタントがオンライン面談・電話・メール・チャットなどで受けるサービスです。これが好評で、想定以上のお問い合わせをいただいています。
オンライン保険相談には、店舗でも使用している独自開発の保険分析・検索システム「保険IQシステム」を活用しています。お客さまが現在加入している保険の内容をまとめて整理した「分析シート」や、異なる保険商品を同一のフォーマットで比較できる「比較表」などを作成できるシステムです。
オンラインで接客するスタッフは、店舗でも接客をしているコンサルタントです。スタッフがお客さまの相談を受けながら保険商品を選んでいく仕組みで、店舗と同水準のサービスを提供しています。
──「オンライン保険相談」導入のきっかけは。
私は以前からデジタルを活用して自宅でサービスを受けられる「お茶の間ショップ」構想を抱いていました。新型コロナの発生を機に、それを一気に推進することとなったのです。
オンライン相談は、あくまでも当社の目指しているデジタル化の一部です。マーケティングからアフターケアまで、すべてのサービスを徹底してデジタル化することで、お客さまの利便性を高めていきたいと考えています。
──ターゲットの変化はありますか。
これまで多くの方が保険について考えるきっかけは、結婚や出産という人生の節目でした。そのためターゲットは30代~40代前半に定めていました。
ただ、今回のコロナ禍で「自分の身は自分で守る」という意識が高まったため、現状の保険の加入率が低い20代も医療保険の必要性を感じている方が多いでしょう。そのためオンラインでの保険相談などを通じて若年層マーケットを開拓していこうと考えています。
──商品開発への影響は。
保険のあり方そのものも変化していますね。例えば現在の医療保険は、入院した場合に限って保険金が下りる商品が主流です。しかし...