3月に高輪ゲートウェイ駅構内にてオープンした無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」。図らずもWithコロナの時代に適応するタッチレスな小売店の先駆けとなったが今後は全国のマイクロマーケット市場への横展開を狙う。
1日100万円超の売上も
──無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」は2020年3月23日、JR東日本の新駅「高輪ゲートウェイ駅」構内にオープンしました。2週間後には緊急事態宣言が発令される事態となりましたが、利用状況はいかがですか。
開業当時は連日行列ができ、1日に2300人ほどが来店されていました。売上にすると、1日で約100万円になります。ただ、あまりに多くの方にご利用いただくとシステム制御が難しくなるので、入口にゲートを付けて入店制限を実施しました。
4月7日の緊急事態宣言発令後は、駅の利用率が減ったため客足も減少しましたが、解除後少しずつ戻ってきています。一番売れている商品はエコバッグやコーヒーなどのオリジナルグッズなのですが、特に朝・昼・夜のピーク時は通常の駅構内にあるコンビニと同様に、日常的に飲料や軽食を購入する方も増えています。直近では、1日20~30万円くらいの売上があります。
この店舗はマイクロマーケット市場を狙っているので、売上目標は1日当たり30~40万円に設定しています。「自販機以上、コンビニ未満」というイメージですね。コンビニは50万円が損益分岐点ですが、TOUCH TO GOは人件費が下がる分、それより低い売上でも回るようなビジネスモデルを構築しています。
──無人決済はユーザーに抵抗感なく受け入れられていますか。
当初は戸惑う方が多いかなと思い、説明用の人員を配置していたのですが、“人はいらない”という声をいただくくらいでした。基本的に「入る、取る、出る」の3ステップで、スキャンをしたりたくさんのボタンを押したりすることもありません。年配の方にもスムーズに使っていただけています。
ゲートに問い合わせが相次ぐ
──最大の特徴である“タッチレス”が偶然にもコロナ禍で効果を発揮する形となりました。
そうですね。元々、TOUCH TO GOは...