国内最大級のメガネ専門のECサイト「Oh My Glasses」を運営するオーマイグラス。対面販売が当たり前だったメガネの購入スタイルを変えた清川忠康社長はアフターコロナに向けて、店舗のあり方や商品戦略を変化させる必要があると語る。

オーマイグラス
代表取締役社長CEO
清川忠康(きよかわ・ただやす)氏
1982年大阪府生まれ。2005年に慶応義塾大学法学部、2006年にインディアナ大学大学院を卒業後、UBS証券、経営共創基盤を経て、スタンフォード大学経営大学院に留学。2年次在学中にオーマイグラスを創業。YouTuber「めがねシャチョウ」としても活動。主な著書に『スタンフォードの未来を創造する授業』(総合法令出版、2013年)。
メガネの購買体験を向上させる
──“メガネ”という試着が重要になる商品を、店舗ではなくECをメインに販売するという発想はどこから生まれたのですか。
私は2009年にシリコンバレーにあるスタンフォード大学のビジネススクールに入学し、スタートアップ企業の経営にも関わりました。その経験も踏まえて、以前から思っていた「メガネの買い方を変えていきたい」という構想を実現しようと在学中の2011年7月にオーマイグラスを創業しました。
メガネは近年、視力矯正器具としてだけではなく、ファッションアイテムとして購入されることが増えています。そう考えたとき、洋服と比べると購買体験自体に多くの課題があると思いました。メガネ店はレンズ加工の際に発生する特有の臭いがあるし、検眼を待つ時間も長い。もちろんファッションとしての提案ができる店員もいません。
そこで、ネットでなら楽しい購入体験を提供できるのではないかと考えました。試着用のメガネを送料無料で5本まで(5日間)お届けするサービスを取り入れているので、お客さまのペースで買い物をしていただけます。検眼が必要な方のみ、全国に7つある店舗に足を運んでいただいています。当店の場合はリピーターの方が7~8割ほどなので、検眼なしで毎回同じ度数でつくる方が多いですね。
──コロナ禍での売上は。
商業施設に入っている店舗は、施設に準じて休業していたので売上はゼロですが、2019年2月にオープンした路面店「新宿東口店」は好調です。2020年5月は昨対で120%でした。
また、ECの売上はコロナ以前に比べて2倍になっています。幸いにもECが伸びているので、良いところを活かしながらアフターコロナに向けて業態転換も視野に入れています。

店舗
2014年に初出店した渋谷ロフト店を皮切りに店舗も拡大。2019年7月には初の百貨店となる藤井大丸(京都市)に出店した。新型コロナの影響で、店舗の役割は変化している。
消費トレンドは“機能性重視”に
──コロナ禍でアパレルが大打撃を受けているからこそ、変化の必要性を感じているのでしょうか。
そうですね...