ライオンが昨年3月に発売した「リード プチ圧力調理バッグ」は、発売以来約100万個を売り上げている人気商品。時代の変化によって時短ニーズが高まると同時に、総菜やレトルト食品など加工済みのものを食べるのではなく、時短でありながらも「手づくり感」を求める消費者のニーズをとらえた。商品に生の食材や調味料を入れて、電子レンジで調理するだけで、煮物などが簡単につくれる。
「新しい商品カテゴリーでもあるため、実際に商品を魅力に感じたユーザーのリアルな声などが口コミで拡散し、利用が広がった」とライオンの山口翔平氏(ヘルス&ホームケア事業本部リビングケア事業部)は話す。
とらえたニーズは消費者ニーズだけではない。時短ニーズが高まる中で、レトルト商品や惣菜などの調理済み商品の売れ行きが好調なトレードオフとして、調理の手間がかかる生鮮3品(肉・魚・野菜)の販売は流通業の課題にもなっている。そのため、時短商品でありながらも生鮮3品の購入、調理を促す「リード プチ圧力調理バッグ」は、流通業からも高い評価を得ている。
「商品自体は、まだ使い方について認知を広げている状況です。この商品の便利さを知っていただければ、さらに普及も進むはずなので、まだまだ広がっていくポテンシャルがあると考えています」(山口氏)(→『ヒットの仕掛け人に聞く』)