ライオン「リード プチ圧力調理バッグ」のブランドコンセプトは「『ちゃんと』を、かんたんに」。材料を入れて電子レンジにかけるだけで調理でき、昨年3月の発売以来、約100万個を売り上げた。ことし2月には人工知能技術を用いて、献立づくりを支援するサービスも開始。商品開発の経緯と目指す姿について、ライオンーヘルス&ホームケア事業本部 リビングケア事業部の山口翔平氏にインタビューした。

「手づくり」の満足感と時短を両立
──2018年3月に発売した「リード プチ圧力調理バッグ」の販売状況はいかがですか。
現在までに約100万個を販売しています。「リード プチ圧力調理バッグ」は、これまで市場には存在していなかった商品のため、まだ使い方について認知を広げている状況です。この商品の便利さを知っていただければ、さらに普及も進むはずです。まだまだ、ポテンシャルがあると考えています。
──「リード」ブランドは、クッキングペーパーや保存バッグで知られています。今回、調理用バッグを開発したのは、どのような経緯だったのでしょうか。
「リード」は、「『ちゃんと』、をかんたんに」をブランドコンセプトとしています。「ちゃんと」は、人によって異なりますが、リードの考える「ちゃんと」とは、その人が自分に対して「抜くところは抜いてるけど、私ちゃんとやってるな」と思えることです。
現代人は非常に忙しく、料理においても、作業時間の短縮、いわゆる"時短"が叫ばれています。調理では、電子レンジを用いた時短がトレンド。そこで保存バッグのノウハウを生かし、「ちゃんと」した料理を、「かんたんに」作れる製品を開発しようと考えました。
私たちの調査では、消費者の7割近くが時短のため、レトルト食品や惣菜を買っています。一方、それだけで食卓を構成することに抵抗を感じてもいるようです。惣菜などをあえてお皿に移し替えたりして、「手づくり感」を求めていることもわかりました。
「リード プチ圧力調理バッグ」は、自身で生の食材を入れて、電子レンジで調理し、盛り付けることで、「ちゃんと」を感じられる商品になっています。

──発売後の反応はどうでしたか。
開発時に想定していたより、幅広い方にご利用いただいていると感じています。30歳代~40歳代の働きながらも、家事をこなしている人たちが反応するのではないかと考えていましたが、40歳代以上の年齢層にも購入いただいています。
少し予想外だったのは、自分のためではなく、離れて暮らす孫や息子に送る「お届け飯」的な使い方です …