東急ハンズは、店頭で定期的に体験イベントや商品特集などを行っている。昨年夏に行われたイベント「ゲゲゲのハンズ」など旬を的確にとらえた企画はどのようにして生まれるのか。東急ハンズ販売促進グループの海老原健一グループリーダーに聞いた。

キャラクターや他社とのコラボでイベントの差別化を図る
東急ハンズは、全国の主要都市を中心に店舗展開を行い、生活雑貨や文房具をはじめ、DIYやハンドメイド用品、家電など幅広い商品を扱う。販売力を高めているのは、定期的に開催する店頭イベント。ものづくり体験や、テーマを設けた商品特集などが求心力となっている。
「当社では、店頭は、お客さまとの接点になるメディアだと考えています」と、東急ハンズ販売促進課の海老原健一グループリーダーは語る。同社では、創業当事「モノ・コト・ヒト」というキーワードを掲げ、単にモノを売るだけではなく、時代に合ったイベントや接客などを通して顧客との関係性を深めている。
「『モノ・コト・ヒト』の3つを一体化できるのが当社の強みです。店頭に買い物に来たお客さまに、『東急ハンズは一味違う提案をしている』『楽しいイベントをやっている』と思ってもらえれば、お客さまの中で当店の存在が大きくなるはず。それがブランディングにつながると考えています」(海老原氏)
東急ハンズには、全店で同時開催する「本社主導イベント」と各店舗が企画して行う「店舗主導イベント」がある。
本社主導で行われるイベントのテーマは、夏休みやクリスマスなどの季節モチベーションをとらえることが基本。
ただ最近は、Eコマースの台頭や大型ショッピングセンターなどでの体験イベントの増加で、相対的に集客が厳しくなりつつある。
そこで現在、ほかイベントとの違いを明確にするために重視しているのは、キャラクターや他社とのコラボ企画だ。取り組む相手企業が持つ顧客や、これまで東急ハンズとは接点のない、新たな層へのアプローチが期待できる。
昨年の夏休みシーズンには「ゲゲゲの鬼太郎」とタイアップを行い、「ゲゲゲのハンズ」と題し、妖怪をテーマに手づくりワークショップなどのイベントや、ハンズカフェでのコラボメニューの提供などを全国の店舗で行った ...