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P&G「SK-II」、宮城のイオンモールで前代未聞の商業施設ラッピング広告

P&G

宮城県名取市にあるショッピングモールの外壁に、巨大な「SK-II」の屋外広告が登場した。郊外型商業施設で、「SK-II」がなぜ─。

郊外モールで体感イベント集客の要因にも

P&Gは6月、ショッピングモール「イオンモール名取」(宮城・名取)の円弧型外壁のほぼ全面に、高価格帯スキンケアブランド「SK-II」の広告を掲出した。広告枠として用いられたことのなかった場所だが、駐車場側に面する高さ13メートル・幅77メートルというサイズは来店者だけでなく、付近を走るクルマからも目を引く。掲出期間は4月29日から6月25日まで。

1ブランドのために、文字通りの「顔」である店鋪外壁を提供する例は珍しい。P&Gは、広告掲出とともに「SK-II」の体感イベントを開催しており、「イオンモール名取」にとっても集客の目玉となったようだ。ショッピングモールはいまや郊外の消費者を集める“エンタメ”施設。今後、こうしたジョイント・ビジネスプラン(小売業とメーカーの互恵的な共同企画)の範となるかもしれない。

近年、P&Gは、郊外の大型ショッピングモールや総合スーパー(GMS)にも販路を広げている。メインは全国のイオンモール。イオンだけでもSK-IIのカウンターは全国に約340カ所ある。4〜5年ほど前から商品の体感イベントを全国で開催してきた。参加者数の平均は、3日間で150人〜200人ほど。肌分析機「マジックリング」を用いたカウンセリングが目玉で、イオンSK-IIカウンターのうち262カ所に配備している。

P&G営業統括本部の津村直樹氏は、体感イベントを始めたきっかけについて、こう語る。

「5年前、とあるイオンモールでイベントを開催しました。当社から美容部員を10人ほど配し、百貨店などと同様のカウンセリング販売を行う企画です。『お客さまは来るだろうか』と不安ではありました。しかし、すぐに順番待ちとなり、急きょ追加のいすを用意して、お待ちいただかねばならない状況になりました。こうした結果を受け、一度きりだったはずの開催を今日まで続けています」

体験イベントで、一部会場に設置している「マジックリング」。肌分析ができる機器で、これを用いたカウンセリングが人気。

「知られているはず」先入観を調査で壊す

高さ13メートル・幅77メートルという、大型のラッピング広告。P&Gはここ数年、郊外の大型ショッピングモールで体験イベントを実施している。そのイベント自体が求心力にもなっていることから、イオンとの取り組みを強化した。

従来の取り組みを強化して、大型の外壁広告を出すきっかけとなったのは、P&Gが自社で行った消費者調査の結果だった ...

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