いまや当たり前の存在である自販機に新しいサービスが加わった。自販機がスマートフォンと連動し、アプリ上で事前に購入した商品を駅の自販機で受け取ることができる。
便利以上の体験を提供する
現在、JR東日本の首都圏主要駅約20カ所に設置されている「イノベーション自販機」。専用アプリ「acure pass(アキュアパス)」で事前に商品を購入すると、駅の自販機ではQRコードをかざすだけで商品を受け取ることができる。この自販機とアプリによるプラットフォームは、「自販機での購入」に新たな体験価値を加えた。アプリ上でまとめ買いした商品を通勤通学の途中に駅で受け取ることもできれば、アプリからSNSを立ち上げ、友人にドリンクを贈ることもできる。
このプロジェクトでは、「ユーザーも気づいていない自販機の付加価値を生み出すこと」を目的に、JR東日本ウォータービジネスが業種の異なるチームラボと共同でシステム開発を行った。開発に携わったプロジェクトチームの飯島俊介さんは「これまでの延長線上ではなく、『驚きやワクワクを感じてもらうことのできる自販機を』と開発してきました。今後はアキュアパスを未来の自販機スタンダードとするべく展開していきたいと考えています」と語った。
審査員講評
ドリンクの購入にスマートフォンを使用する方式により、駅構内におけるドリンクの販売方法に新しい概念を提案している。正面のパネルに大型の液晶画面を用いた自販機は、コンコースにおける存在感を示しながら、購買行動において商品の受け取りと代金の支払いとを分離したことで、可動部分が最小限になっている。
代金の支払いにはICカードまたはQRコードを用いて完全にキャッシュレス化すると共に、専用アプリ「acure pass」を用いて先に支払いができる点、アプリ間での商品の交換が可能である点は、ドリンクにとどまらず今後の商取引における幅広い可能性を期待させる販売方式として高く評価できるものである。
- PR/飯島俊介、川口典比古、小出智巳、小室塁、堀口祐貴、関根隆文(JR東日本ウォータービジネス)
- 筐体PR/坂井直樹(ウォーターデザイン)
- 筐体D/西村拓紀(西村拓紀デザイン)
- アプリ、サイネージ開発/チームラボ