オンラインによる情報接点が多様化する中、企業はどのように情報を管理し、正しい情報を提供していけば良いのか。Yextは2018年12月4日、宣伝会議で「デジタルナレッジマネージメントセミナー」を開催。オンライン施策で来店促進に成功した企業の取り組みや、AIや音声検索が一般化しつつある中で企業が取るべき対策について講演を行った。
消費者に正確な情報を届けるためオンライン上の情報を管理する
Yextは、オンライン上のあらゆる場所で表示される情報を一元的に管理し、最新に保つことを可能にするクラウドプラットフォーム「Yext Knowledge Engine」をベースにして、デジタルナレッジマネジメントのサービスを提供していることから、本セミナーを開催した。
最初に登壇した日本ケンタッキー・フライド・チキン 執行役員 営業戦略統括部 部長の小山典孝氏は、「マーケティングは仕組みをつくって終わりではなく、お客さまが来店して初めて機能したと言える」と述べ、それを実現するために注力している「O2S戦略」について語った。「O2S戦略」とは、オフラインあるいはオンライン施策で来店を促進する戦略だ。
小山氏は「O2Sでは来店前の検討時間が最も重要なので、顧客をクラスター化し、それぞれに最も効果的と思われるメディアを当てはめる」と話し、LINEの無料クーポン配布で約8,000人の新規顧客と239万人のLINEの「おともだち」を獲得した事例を紹介。「一過性の売上ではなく、顧客基盤を上げることを施策のゴールだと考え、顧客に寄り添う気持ちで顧客体験をつくる『カスタマー・エクスペリエンス・マーケティング』を意識して、営業やデジタル推進や商品開発と一緒に企画を立てている」と語った。
第2部は、「2020に向け:音声検索、訪日外国人、自動運転の時代に向け企業が今とるべき対策」をテーマに、デジタルシフトウェーブ 代表取締役 鈴木康弘氏とYext 代表取締役会長 宇陀栄次氏が、日本企業が進むべき方向について議論した。
日本の2~3年先を行くアメリカのデジタルシフトに詳しい宇陀氏が、「2020年には日本の検索の50%が音声検索になる」と述べ、独自のアルゴリズムで結果を引き出す検索サイトの盲点を説明。企業名で検索した時に、誰かがSNSに上げて拡散した画像がトップに出てしまい企業イメージを損なった事例を紹介し、「Yextは、間違いが多い検索エンジンの結果を上書きし、正しい情報を常に発信できるサービスを提供している」と話した。
鈴木氏は「AIを活用するにはデータの精査と整理が重要」と指摘し、Yextはナレッジグラフに強い仕組みであると説明。宇陀氏は「日本企業は積極的に海外の優れた技術を取り込み、それを自社向けに最適化することでイノベーションを生むことができるはずだ」と語った。
第3部は日本トイザらス eコマース本部 シニア・ディレクター 西原慎祐氏が、2014年から徹底してきた「シームレスリテーリング」の活動について語った。「シームレスリテーリング」とは、店舗でもオンラインでも同じ顧客体験を提供すること。オンラインの注文商品を店舗が出荷する「シップフロムストア(SFS)」などを紹介した。
SFSでは、店舗在庫によってオンラインの在庫数が増加、配送時間短縮など、サービス性が向上し、配送コストも削減できた。「シームレスリテーリングはお客さまの利便性を高めるだけでなく企業にとってもメリットが大きい」と語った。
お問い合わせ
Yext(イエクスト)
〒105-0004 東京都港区新橋5-1-9 銀泉新橋第2ビル8F
TEL:03-5472-7631
E-mail:supportjapan@yext.com