最終消費者との接点づくりは、マーケターにとっての長年の課題だ。12月11日に開催した「消費者の快適な購買体験を実現する!デジタルトランスフォーメーション戦略セミナー」では、LINEの山崎達嗣氏、アサヒビールの玉手健志氏、トレジャーデータの宇根岡亨氏が登壇。トレジャーデータによって実現したデータ活用事例などが語られた。

左からLINE O2Oアライアンスチーム マネージャーの山崎達嗣氏、アサヒビール デジタルマーケティング部 副課長の玉手健志氏、トレジャーデータ カスタマーサクセス 宇根岡亨氏。写真は第3部、参加者から寄せられた質問に回答している様子。
キャンペーンで収集したデータをトレジャーデータで可視化
第1部では、LINE O2Oアライアンスチーム マネージャーの山崎達嗣氏が登壇。「LINEは約7800万の月間UUを有するプラットフォーム。そのうち毎日LINEを使う人が85%を占め、実に日本人口の6割以上が毎日使用している」と話した。
同社が2017年から強化しているのが、セールスプロモーション領域。LINEを用いた販促キャンペーンでは、生活者が新たにアプリをダウンロードする必要がない場合が多く、ユーザーのキャンペーンに参加するハードルは格段に下がる。加えて、ユーザーの行動データをLINE ID単位で把握することができるため、One to Oneのコミュニケーションが可能だという。セミナーまでの1年間にLINEで実施したキャンペーンの累計応募回数は1.8億回。応募UU数は1200万人を超えている。
続く第2部では、アサヒビール デジタルマーケティング部 副課長の玉手健志氏が登壇。「昨今では適切にターゲットに情報を伝えるためにデータマネジメントは避けて通れない。データを読み解かずに意思決定するのはリスクがあるのではないか」と提起したうえで、これまで同社が例年実施してきた、商品に貼付したシールを集めてハガキで応募するオフラインのキャンペーンをデジタル化した試みについて語った。
同キャンペーンでは従来、1層式の共通シールを採用していたが、2層式のシールにシリアルコードをつけ、LINEのトークルームでコードを入力する仕組みへと刷新。そして応募者から集められたデータを、トレジャーデータに集積し、可視化した。
そしてトレジャーデータに格納された情報からユーザーのステータス情報に応じてLINEで個別配信を実施したという。「お客さまの獲得ポイントに応じて細やかなLINE配信を行うと、商品購買やキャンペーン応募に繋がることが明らかになった」と玉手氏は話した。
さらに最新事例ではアサヒビール商品を購入したレシートをLINEのトークルーム上にアップロードする方法を採用。
「このようにキャンペーンで収集したデータは、細心の注意を払って取り扱う必要があるがマーケティング上の仮説を立てる上で非常に重要で、サードパーティのDMPからでは得られない貴重な情報。ただしデータは漠然と集めるだけでは意味がなく、目的を持って収集・分析してネクストアクションに生かしてこそ役に立つもの。技術的な話や特別なスキル、知識の話になりがちだが、まずは何よりも使用目的の明確化が重要」と語った。
第3部は山崎氏と玉手氏に、トレジャーデータ カスタマーサクセス 宇根岡亨氏を交えた質疑応答。最後に宇根岡氏から山崎氏と玉手氏にチームビルディングの考え方について質問。玉手氏、山崎氏ともにスモールチームの有用性を認めつつ、役割責任の明確化が重要という見解で一致し、結びとなった。
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