「マーケターの集合知で日本に突き抜けた成長力を生み出す」ことを目的に設立された「JAPAN CMO CLUB」。すでに参加マーケターも90名を超えている。定期的に開催している異業種のマーケターが集まる研究会の場で見えてきた、これからの日本のマーケティングが進むべき道とは。
ブランドを守り、育てる 決断を下すのはトップの役割
11月21日、23回目となる「JAPAN CMO CLUB」の研究会が開催された。今回は、スカパーJSAT メディア事業部門 プラットフォーム 事業本部 プロモーション部長 三上武典氏、セイバン 代表取締役社長 泉貴章氏、モンデリーズ・ジャパン 取締役 マーケティング本部 森繁弘氏、有楽製菓 代表取締役社長 河合辰信氏の4名が参加した。
参加者のうち、2名がマーケティングの仕事の経験も持つ経営トップということもあって、「マーケターも売上、利益に対してコミットする姿勢が必要」といった意見が出た。
その後も、「経営者視点のマーケティング」というテーマでディスカッションは盛り上がりをみせたがセイバン、有楽製菓の2人の経営者は特に、長期的な視点でブランドを守ることの重要性を意識。短期的な売上だけでなく、長期的なブランド育成を踏まえて、これまでに大きな決断をしてきたことから、「経営トップにもマーケティング発想・顧客起点の思考があると、企業の継続性に寄与するようなブランディングのプランも実行できるのだということが分かった」といった声もあがった。
例えば、セイバンでは泉氏が入社した当時、「天使のはね」シリーズは供給量がコントロールできず、値下げして販売されてしまうこともあったという。「このままでは、ブランドが壊れてしまうと危機感を抱き、生産量を半分ほどにまで絞り、ブランドを守ることに力を入れました」。その後、販売チャネルも絞り込み、6年かかり、ようやく卸売業を介さない、100%直販体制の構築を実現したエピソードが披露された。
異なる業態の4社だったが、ディスカッションを通じてお客さまに向き合う熱い情熱に共通項が見えてきた。知識、経験も重要ながら、お客さまの役に立ちたい、喜んでいただきたいという情熱が、新たなアイデアの実現にチャレンジする原動力になるのだと感じることができる会となり、「多様性を得ることができる貴重な経験の場だった」との声が多くあがった。
最後に「JAPAN CMO CLUB」の加藤希尊氏は「研究会は『共感』と『理解』の場で、今回も業態の垣根を越えた共感の声を多く聞くことができた。『JAPAN CMO CLUB』が提供できるのはメンバー同士の『出会い』と『ネットワーク』を広げる場。次は『目的』と『資源』を拡大できるフェーズの場になる。
そして最終的にそれを実現することが『JAPAN CMO CLUB』のミッション。5年目を迎えた本CLUBは、さらに次のステージへ。ネットワークから生まれたアイデアの実現を目指し、社会課題解決のためにも生かしていきたい」と意気込みを語った。
「JAPAN CMO CLUB」の活動報告は、随時、宣伝会議運営のWebメディア「アドタイ」にてレポート中です。
https://www.advertimes.com/special/cmoclub/
(本組織はセールスフォース・ドットコムと宣伝会議が共同で設立したものです)