生活様式の変化で需要が減少傾向にある畳。そのような中、畳縁(たたみべり)メーカーの高田織物は、今までにないアイデアで逆境を乗り越え、業界や地域を活性化している。

1000種類もの畳縁を用意しているだけでなく、数々のアイデアをもとに、畳縁を一般消費者に身近に感じてもらうための様々なグッズの制作・販売も行っている。
ジーンズや学生服といった繊維業が盛んな倉敷市児島地区で、細幅織物に特化したメーカーとして歴史を歩んできた高田織物。常に業界の先陣を切って、畳縁(畳の長手方向に付けられた布)のトップメーカーへと成長を遂げた。児島地区活性化のキーパーソンでもある同社代表取締役の髙田幸雄氏は、現在に至るまでの道のりを次のように振り返る。
「全国生産の80%を占める倉敷市の畳縁は重要な地域資源で観光資源ですが、残念なことに畳縁が一般消費者に意識されるのは畳替えの時くらい。一生に数回あれば多いほうでしょう。業界内でも付属品という扱いで、畳縁そのものの価値を問われるようなことはありませんでしたが、それでは商売として面白くない。そこで社長になってから遊び感覚でオリジナル商品をつくるようになり、少しずつ面白くしていきました」(髙田氏) …
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