データドリブンマーケティングへの志向が高まる中、必然的にクリエイティブにもデータドリブンが求められるようになってきている。マインドセットのシフトはもちろん、臨機応変な対応、フットワークの軽さといった“時代に合わせた仕事スタイル”も求められており、これまでの広告制作業の“納品文化”のスタイルでは、クライアントの満足は得られない。いまの時代に求められるクリエイティブの機能とは?そして、クリエイターのあり方とは?
Q1 クライアントが、クリエイティブ/クリエイターに求めることについて、近年変化していると感じていることはありますか?
マーケティング、ブランディング活動の目的/ゴールを提示することが強く求められていると感じます。リーチや認知というこれまでの広告効果を超えた、よりエモーショナルな部分も含めて、アウトプットがどのような効果を得るか?そこをできる限りデータで解析し、仮説を検証することが求められています。私たちが対峙するファッションやエンターテインメント系のクライアントの場合は、その一歩前の段階にある「何をゴールにするか?」というところを明確に示し、それを達成するための仮説としてのストーリーが求められていると強く感じます。それは広告コミュニケーションにおける「成功」の多様性に、クライアントが気づき始めたことが背景にあると思います。ただ売れれば良いという意識ではなく、どのような経緯で売れる状況をつくり出すか?という意識に変わってきているのではないでしょうか。
Q2 現在のキャリアに至った経緯を教えてください。
新卒でオプトに入社し、SEMのコンサルタント兼プランナーをしていました。広告効果のシミュレーションを行い、施策実施後はデータの分析を行うというPDCAの繰り返しを行い続けたことが、私のキャリアの原点です。そこから総合広告会社に移って広告コミュニケーションを学び、その後ファッションやラグジュアリーブランドを専門にしたブランディングエージェンシーに転職したことで、本格的にクリエイティブを生業にするようになりました。多くのクリエイターは、デザインやコピーという情緒的なものを学んだ後に、時代の流れに合わせてデータやテクノロジーを取り入れてきた人が多いと感じますが、私の場合は全くの逆で、先にデータやテクノロジーを学び、その後クリエイティブやコピーを実務の中で習得してきました。
Q3 広告会社の先輩クリエイターの方々と、ご自身の仕事のスタイル・考え方で圧倒的に違うな、と思うことはありますか。
「検索スキル」です。私を含め同年代のクリエイターは …