広告・コンテンツの制作現場においても、活用が進んでいるクラウドソーシング。本稿では、サービス利用に際して、広告主企業が知っておくべき、知的財産権にまつわる法的リスクを、ケーススタディ形式で解説します。
Case 01
納品されたバナー広告、〇〇社の広告に似ている…?
Q1
出稿予定の広告クリエイティブを、クラウドソーシングを活用して発注した。オンライン上でのやりとりを経て完成イメージは共有していたつもりだが、いざ納品されたものを見ると、〇〇社のバナー広告に似ている気がする。制作したクリエイターは、「フリー素材を使って制作した」と言っていたが、キャラクターや色味、コピーもかなり似ている。このまま広告を出稿しても大丈夫だろうか?
A1
単に似ているというだけでは、違法なコピーだと主張して納品物そのものに不備や瑕疵があったと判断するのは難しいと言えます。修正を依頼できるのであれば、事情を説明して修正をしてもらう方法が考えられるが、クリエイターによっては、追加で費用を請求してくる場合もあります。
このような事態を避けるために、発注する側としては、納品後一定の検収期間を設け、その期間中に可能な限り盗用などの疑いがないか確認し、必要があれば修正を求めることができるといった内容を盛り込んだ合意書を別途作成し締結することが必要です。クラウドソーシングサービスの多くは …
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