広告マーケティングの専門メディア

           

いま、必要とされるクリエイターの条件

五輪エンブレム問題から考えるネット時代の知財マネジメント―クラウドソーシング活用において、広告主企業が知っておきたい法的リスク

石原一樹(窪田法律事務所)

広告・コンテンツの制作現場においても、活用が進んでいるクラウドソーシング。本稿では、サービス利用に際して、広告主企業が知っておくべき、知的財産権にまつわる法的リスクを、ケーススタディ形式で解説します。

Case 01
納品されたバナー広告、〇〇社の広告に似ている…?

Q1
出稿予定の広告クリエイティブを、クラウドソーシングを活用して発注した。オンライン上でのやりとりを経て完成イメージは共有していたつもりだが、いざ納品されたものを見ると、〇〇社のバナー広告に似ている気がする。制作したクリエイターは、「フリー素材を使って制作した」と言っていたが、キャラクターや色味、コピーもかなり似ている。このまま広告を出稿しても大丈夫だろうか?

A1
単に似ているというだけでは、違法なコピーだと主張して納品物そのものに不備や瑕疵があったと判断するのは難しいと言えます。修正を依頼できるのであれば、事情を説明して修正をしてもらう方法が考えられるが、クリエイターによっては、追加で費用を請求してくる場合もあります。

このような事態を避けるために、発注する側としては、納品後一定の検収期間を設け、その期間中に可能な限り盗用などの疑いがないか確認し、必要があれば修正を求めることができるといった内容を盛り込んだ合意書を別途作成し締結することが必要です。クラウドソーシングサービスの多くは …

あと75%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

いま、必要とされるクリエイターの条件 の記事一覧

テレビCMとは異なる「スマホ広告コンテンツ」に必要な5つのクオリティ
マーケティングが変われば求められるクリエイターも変わる
五輪エンブレム問題から考えるネット時代の知財マネジメント―クラウドソーシング活用において、広告主企業が知っておきたい法的リスク(この記事です)
五輪エンブレム問題から考える ネット時代の知財マネジメント―コンテンツ制作における著作権・商標権侵害リスク対策のポイント
YouTuberにInstagramer SNS時代のクリエイターと企業の関係
クラウドソーシングで生まれる新しい「クリエイター」の仕事スタイル―(2)
クラウドソーシングで生まれる新しい「クリエイター」の仕事スタイル―(1)
広告界でも需要高まるクラウドソーシング 効果的な活用法と押さえておきたい留意点
変化に合わせて進化できるか!? データドリブン時代の新しいクリエイター像――オノダタカキ(STORYWRITER INC)
変化に合わせて進化できるか!? データドリブン時代の新しいクリエイター像――山田智久(博報堂アイ・スタジオ)
変化に合わせて進化できるか!? データドリブン時代の新しいクリエイター像(2)
変化に合わせて進化できるか!? データドリブン時代の新しいクリエイター像(1)
「僕たちの仕事は、どこへ向かうのか?」 SNS時代のクリエイターの仕事
デジタル時代、見直すべきは「表現」よりも「コミュニケーション設計」
従来型の“制作会社”には、満足できない!? デジタル活用注力企業7社匿名インタビュー

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する