既存の“広告制作”の体制に課題を感じ、クラウドソーシングのような新しい手法を取り入れたいと考える企業は多いものの、「アウトプットのクオリティが希望に見合うものか分からない」「どのサービスを利用するのが良いか判断がつかない」といった懸念から、活用に踏み切れていない企業も少なくない。広告・コンテンツ制作に関わるクラウドソーシングビジネスの市場を概観するとともに、企業が活用する上で注意すべきポイントなどを解説する。
クラウドソーシングは、インターネットを活用することで、世界中の企業と個人が直接つながり、仕事の受発注を行うことができるサービスである。個人のスキルと空き時間をオンライン上でシェアするクラウドソーシングを活用し、迅速かつ低コストの業務発注や外部の知恵を活用することができ、広告・コンテンツ制作のシーンにおいてもさまざまな活用がなされるようになっている。
クラウドソーシングの広がり
2013年より、国内でもクラウドソーシングの認知が高まり、2015年9月現在、クラウドソーシング協会の会員企業の登録ユーザー数(単純累計)は200万人を超え、利用企業者数も25万社超となっている。
代表的なクラウドソーシングサービスとしては、日本では最も早くサービス展開をした「Lancers(ランサーズ)」、IT技術者に特化してサービス開始した後に対応範囲を広げ、マザーズ上場をした「CrowdWorks(クラウドワークス)」、人材大手のパソナグループが展開し、事務系に強い「Job-Hub(ジョブハブ)」があり、100を超える業務を依頼することができる。
これら3つのサービスを「総合型」と位置づけると、登録ワーカー層、業界、職能などに特徴をつけた「特化型」といえるサービスがあり、専門スキルや人材のマッチングやディレクションサポートなどを行っている。
イラスト制作を得意とする、「MUGENUP(ムゲンアップ)」では …