日本郵便が主催する「全日本DM大賞」では、11月30日まで応募を受け付けている。戦略性・クリエイティブ・実施効果といった観点から、優れたダイレクトメール(DM)を表彰する日本最大級のアワードとして、今回で29回目を迎えた。
金賞 グランプリ
~ビジネス繁栄の“カギ”をGoogle と一緒に見つけませんか~
サービス体験型鍵付きDM
広告主:グーグル
制作:エムアールエム・ワールドワイド
「鍵付き箱型」という目を引く形状で、DMには実際に施錠もされている。Google検索をしないと開錠できないというハードルの高い設計にもかかわらず、送付した1000通のうち95%が“開封”され、51%の人が同封のアンケートに回答するという大きな成果を上げた。
銅賞
常陽教育ローン DM&コール(2012年12月~2013年1月実施)
広告主:常陽銀行
制作:電通、電通国際情報サービス、JP メディアダイレクト、おくとプロ
丁寧な説明が必要とされる金融商品のため、DMと併せて、送付者全員にアウトバウンドコールを実施。子どもの大学進学にあたり、予算をかけずに教育ローンを組みたいという親心に届くDMとして、契約段階で3.7%という高レスポンス率を達成した。
プログレッシブ賞
Daibutsu Mail & 拝啓疎遠客のみなさま
広告主:大佛クリーニング
制作:アドファースト
冬物アウターをクリーニングに出す可能性のある顧客をターゲティングし、DMを送付。出し忘れを防ぐ“警報”をコンセプトに、宛名面も目いっぱい使用したビジュアルに仕上げた。来店者から「素敵なはがきをありがとう」という声もあった。
情報伝達の手段としてE-mailが主流の一つである中、いまなぜDMなのか。様々な広告メディアが台頭する中、現物が手元に直接届くというダイレクト性はDMならではのものであり、「受け手のココロを動かす」点において、DMは有効な手段とされている。
近年では、技術進化によって顧客のターゲティングが可能になり、顧客を「個客」として捉えるマーケティングが注目されている。そこで重要になるが、ターゲティングされた顧客に、どのような価値を提供するのかだ。その価値を伝える手段として有効なのが、クリエイティブに富んだ表現が可能なDMという存在である。
DMは、受け手であるお客様の行動を喚起するだけでなく、受け手と送り手とのエンゲージメントを強化する手段としても機能する。また、前回の受賞作品のように、優れたDMはソーシャルメディアで拡散され、より多くの人の目に触れることも可能になった。
全日本DM大賞は、優れたDMを表彰することを通じ、DMという広告メディアの役割や効果を広く認知させることを目的としている。低予算のはがきからクロスメディアプロモーションまで、DMのさらなる可能性を切り拓くため、多様かつ多くの応募が期待されている。応募受付は11月30日まで。
第28回の贈賞式の様子。第29回の贈賞式は、2015年2月下旬にJPタワーにて開催予定。