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テクノロジーの進化とこれから必要となるコンテンツ

コンテンツマーケティング研究会

宣伝会議では「コンテンツマーケティング」をテーマとする研究会を発足。全4回にわたり、マーケティング界の第一線で活動する方たちを招いての研究会を実施してきた。本記事では、第4回の研究会の様子をレポートする。

左から大和広告 代表取締役社長 花崎 章氏、スケダチ 代表 高広伯彦氏、講談社 メディア事業局 局次長 長崎亘宏氏、アドビ システムズ デジタルマーケティングスペシャリスト 井上慎也氏

従来型の一方通行でメッセージを発信する「広告」以外の接点づくりが強く求められている中で、最近出てきているのが「コンテンツマーケティング」の発想だ。しかし、そもそも「コンテンツ」という言葉が示す範囲は広く、その概念や定義が明確になっていない部分も多い。本研究会ではコンテンツマーケティングの概念、活用可能性などをテーマにディスカッションを行っている。
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ストーリーテリングの手法に注目

本研究会は創業46年を迎える広告会社、大和広告の協賛のもと開始したプロジェクト。広島県福山市に拠点を置く大和広告の花崎章社長はマーケティングに関する情報発信を行う「イマジナクトラボ」を設立し、自社でもコンテンツマーケティングを実践するほか、海外のカンファレンスにも積極的に参加し、企業におけるコンテンツマーケティングの活用可能性を模索している。

4回目の開催であり、最終回となった今回は「テクノロジーの進化とこれから必要となるコンテンツのあり方」がテーマ。コンテンツを配信・拡散するデジタルテクノロジーが進化・多様化している状況を踏まえ、コンテンツマーケティングにおけるテクノロジー活用の現状と可能性について議論が行われた。

大和広告の花崎章氏は「先日参加した『Content Marketing World』で披露された最新の調査結果によると、コンテンツマーケティングが有効であると回答したB2Bマーケターは、昨年の42%から38%へと微減する結果に。テクノロジーや手法が目まぐるしく進化していく中でも、普遍的なものを見つけ、フォーカスしていく必要があると感じた。コンテンツマーケティングにおいては、例えばストーリーテリングの手法に注目している」と話した。

参加者の一人、講談社の長崎亘宏氏も「コンテンツもエンターテインメント性だけでなく、企画に一貫性があるか、生活者が人に伝えたくなるネタなのか、などが問われる。出版社が持つ編集力と推奨力を企業が有効活用するためには、まず自らのストーリー構築が大事だと思う」とコメントした。

コンテンツの質や制作プロセスに着眼する議論がある一方、データやテクノロジーを活用し、それをどう適切な人に届け、マーケティング効果を高めるかという議論も。アドビ システムズの井上慎也氏は「コンテンツを、誰に対してどう届けて、それをどう最適化していくのか。コンテンツの企画だけではなく、そういった全体の設計や分析も含めて、ストラテジーを作っていかなくてはならない」と指摘した。

早くから日本でコンテンツマーケティングの概念を提唱してきたスケダチの高広伯彦氏は「コンテンツマーケティングという言葉より、“インバウンドマーケティング”という言葉に注目すべきではないか」と話した。「今までのマーケティング手法は、第三者が持っているアセットを利用していた。つまり、あらゆる角度から見て、アウトバウンドマーケティングだった。しかし今は、マーケター自身がコンテンツを作り、SNSなどを活用しパブリッシングしていける時代。だからこそコンテンツを作って終わりではなく、集客の仕組みまで作るインバウンドマーケティングの考え方が必要である」と指摘した。

B2B企業のほうが取り組みやすい

また高広氏は「例えばB2B企業など、そもそも広告を打とうにも自社製品のターゲットを抱えるメディアが存在しない企業もある。そうしたケースでは、コンテンツマーケティングが特に有効に機能するのではないか」と発言した。

広告媒体がなければ、自分自身がメディアになり、自分たちでコンテンツを作っていけばいい。広告マーケティング手法が成立しにくかった、B2Bの領域だからこそ、コンテンツマーケティングで広がる可能性は大きいと高広氏は話した。

花崎氏も「地元の福山市はB2B企業が多い。これまで、あまり積極的にマーケティング活動をしてこなかった、そうした企業にもコンテンツマーケティングは大きなインパクトをもたらす可能性がある」と続けた。

テクノロジーの恩恵を受ける

過去3回開催されたコンテンツマーケティング研究会では、テクノロジーについては、あまり語られてこなかった。第4回の後半では、テクノロジーについて議論が進んだ。アメリカでは、業務効率化のツールの導入が積極的になされているのに対し、日本では、なかなか受け入れられず、現場の努力に任されることが多いという。テクノロジーに対しての理解そのものが、日本にはまだ浸透していないという意見で参加者の見解は一致した。

「コンテンツマーケティングの議論は、企画制作に関する話題が中心になりがち。しかし、実際にはテクノロジーをうまく活用しないと、マーケティング活動の成果につながらない」と高広氏は指摘する。「日本のマーケターも“テクノロジーの恩恵を受ける”という発想に切り替えたほうがいいと思う。テクノロジーを使うことによって、何が変わるのかを理解すると、ビジネスの方法論も変わってくる。“コンテンツストラテジー”とはどういったコンテンツを作るかだけでない。まず第一に周辺テクノロジーへの理解、そしてコンテンツには自分たちで作るコンテンツと、メディアやユーザーが作ってくれるコンテンツもあるということを切り分けて理解すること」と説明した。

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