氾濫するコンテンツの中で、どうすればユーザーニーズを捉え、ビジネスに貢献するコンテンツを作れるか。企業のマーケターが抱える課題に応えるべく、7月25日に、「本音で語る!コンテンツマーケティングセミナー~顧客視点のコンテンツをいかにビジネスにつなげるか」と題するセミナーが、ビービット主催のもと行われた。
(左から)ビービット マーケティング責任者 渡辺春樹氏、コクヨ 広報コミュニケーション部 ブランドコミュニケーショングループ 佐藤詠美氏、NEC CRM本部宣伝グループ Webコミュニケーション推進シニアエキスパート 田中滋子氏、ビービット ウェブアンテナサービス責任者 三宅史生氏。
コンテンツマーケティングには長期的な視点が重要
本セミナーでは、コンテンツマーケティングにおいて成果を上げる実践的手法が、2部構成で紹介された。
第1部では、「コンテンツマーケティングの成功事例に学ぶ!ビジネスにつながる、コンテンツの活用戦略と改善手法」と題し、ビービット コンサルタント 生田啓氏が登壇。ECサイトなどと比べて直接購入につながらず、成果が可視化できないといったコンテンツマーケティングにおける課題に対し、次の3ステップが紹介された。1つ目は「コンテンツの目的を明確にする」で、ビジネスにいかにつなげる全体シナリオを描くことの重要性を強調。2つ目は、「目的に沿ったコンテンツの評価指標を定義する」。生田氏は、「すぐに具体的な成果を求めるのではなく、長期的なビジネスへの貢献を指標化することが重要。こうした考えは、ファン育成やブランディングにも応用できます」と話した。3つ目は、「コンテンツ改善のPDCAを回す」というもの。施策全体ではなく、コンテンツごとの成果を可視化して検証するというPDCAを回していくことが重要だと話した。
第2部は、先駆的にコンテンツマーケティングを実践するコクヨ 佐藤詠美氏とNEC 田中滋子氏、そしてこれまで多くの企業をコンサルティングしてきたビービットのマーケティング責任者である渡辺春樹氏、ウェブアンテナサービス責任者 三宅史生氏によるパネルディスカッションが行われた。
コクヨの佐藤氏は同社の製品をユニークに紹介する動画専門サイト「コクヨチャンネル」の運用に立ち上げから関わっている。「当社には1万4000点の製品があり、プロモーションをしない商品が圧倒的に多い。それらはコストのかからないコクヨチャンネルを通じて訴求を図っています。また、お客様相談室には、使用方法などについて日々多くの問い合わせが寄せられており、中には電話やメールでの説明が難しい製品も少なくありません。動画を活用することで、お客様とのコミュニケーションが円滑になり、現在では店頭で活用したいという販売店からの問い合わせもいただいています」と佐藤氏は語った。
NECの田中滋子氏は、ビジネスに役立つ情報を提供するサイト「WISD OM」の運用を担当している。同サイトには70万人が会員登録しており、同社の営業支援を主目的とするが、「幅広いジャンルの情報を発信することで、より一般の人々へのリーチを図っています」と狙いを説明する。一方で、「会員様をどのように当社製品の購買に結び付けていくかが課題」と話した。
こうした課題に対し、ビービットの三宅氏は、「短期的な刈取りや検索する人へのアプローチに注力しがちですが、そうしたボリュームゾーンは限られます。その手前のお客様に対するアプローチにコンテンツマーケティングが有効。全体のシナリオを作り込むことが何よりも重要です」と話し、コンテンツマーケティングを実践する心構えの重要性を訴えた。
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