兵庫県内の優良企業×学生
神戸新聞社は7月1日、兵庫県の優良な中小企業と大学生の就職マッチングを支援する事業「Mラボ」をスタートさせた。中小企業の課題を大学のゼミ単位で調査研究する取り組みを中心に、合同就職面接会や就活ガイドなどを発行する。
兵庫県内の優良な中小企業の魅力を学生に伝え、就活に活かしてほしいとの思いだ。兵庫県中小企業団体中央会などと連携して実施。名称には、マッチング、マーケティングなどの「M」と実験室の「ラボ」から名付けた。
ゼミ単位の調査研究には兵庫県立大、関西学院大、関西大など県内外の11大学、企業約15社が参加する。海外向けの経営戦略、若者集客のための市場調査などに取り組む。コンペ方式の 研究発表を10月19日に合同就職面接会を同時開催する。
独自技術やサービスを持つ優れた中小企業などを学生が取材し紹介する「就活ガイド」を発行するほか、学生向けには出前講座や県内産業集積地を巡るツアーも実施する。企業向けにも、さまざまな講座を開く。
琉球が長寿地域復活に向けて
沖縄県の琉球新報社は7月1日、沖縄テレビ放送、ラジオ沖縄と共同で、同県の健康長寿を取り戻すプロジェクトを始めた。県民が健康への意識を高めるきっかけとして、まず体重を1kg減らすという目標を設定し、食生活や生活習慣の改善、効果的な運動などについて提案する。名称は、「イチキロヘラス!」。
同県は長寿地域として知られていたが、近年、食生活の乱れや生活習慣の変化などにより、都道府県別の平均寿命が低下。一方、肥満の割合は、全国平均を上回っている。
プロジェクトでは記事、番組を通じて健康長寿を取り戻す取り組みを後押ししていく。長寿復活に向け何が必要かを県民に提案するフォーラムを開くほか、各地で健康教室を開催する。息の長いキャンペーンにしていきたい考えだ。
世界遺産登録をCM募集でPR
富士山に続き、世界遺産登録を目指す地元の遺産群の価値や魅力をPRする取り組みを展開しているのが群馬県の上毛新聞社だ。
同社は7月1日、県内各地に点在する「ぐんま絹遺産」78カ所の魅力を伝えるCM映像の募集を始めた。2014年の世界遺産登録を目指す「富岡製糸場と絹産業遺産群」の歴史的、文化的価値や魅力を広く全国にPRすることが狙いだ。締め切りは9月10日。10月に上映会を開き、入賞作を発表する。その後1カ月、同サイトなどで投票を受け付け、12月に大賞と優秀賞2件を決定する。入賞作は上毛や県、観光協会のサイトで紹介し、全国へのPRに役立てる。また、富岡市局に設けるギャラリーでも紹介する。アニメ、CG、ドキュメンタリー作品など、表現方法は自由。企画・構成力、表現力のほか、愛情度やユーモア度も審査のポイントだ。
地方紙の防災への取り組み
南海トラフ巨大地震、首都直下地震などの可能性が指摘される中、各社は今後の災害発生に備えた取り組みにも力を入れている。
大分合同新聞社は5月20日、緊急地震速報を表示できる電子看板(デジタルサイネージ)付き自動販売機の普及を進める協定を、ダイドードリンコ(大阪市)、NTT西日本大分支店と結 んだ。震度5弱以上の地震発生を、都道府県単位で2秒以内に速報する。
大分合同が、映像配信システムの構築・販売を手掛けるクーレボとともにシステムを構築。ダイドードリンコが自販機を設置し、飲料の売り上げで電子看板の運営費を賄いNTT西日本が光回線を提供する。自治体、緊急避難所に指定されている施設、津波被害が予測される沿岸部の企業などへの設置を想定している。普段は天気やニュースを流す。
6月5日には、大分合同新聞社など大分県内に拠点を持つ新聞・通信・放送10社が、NTT西日本大分支店と「災害発生時における情報連携に関する協定」を締結した。災害時に同支店が集めた写真や動画の無償提供を受け、災害報道に役立てる。大分合同のほか、毎日、共同、時事、西日本の大分総・支局、日刊工業の西部支社、NHK放送局、大分放送、テレビ大分、大分朝日放送が締結した。
文/宮浦 慎
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