企業にとって本当に重要な広報媒体は、いつも一般紙やテレビなどのマスメディアとは限らない。むしろ、流通関係者やパートナー企業など、自社の取引先に対するブランディングに寄与するのは専門メディアの場合も多いだろう。本特集では、主要専門メディアのいまと広報の活用法を探る。

1932年4月、東京・日比谷公園で開催された日本初の自動車展。主催したのは自動車専門紙『日刊自動車新聞』だった。戦時中を除いて毎年開催されているこの展示会は現在、トヨタ自動車の豊田章男社長が会長を務める日本自動車工業会により「東京モーターショー」として継続されている。
産業の発展とともにある専門メディア。その事業は、メディアを出すことだけではない。
2013年11月、10日間にわたり世界12カ国から合計178社・181のブランドが出展して開催された「第43回東京モーターショー2013」には、前年比110%の90万2800人もの来場者が詰めかけた。主催した日本自動車工業会会長でトヨタ自動車社長の豊田章男氏は閉幕にあわせ、「クルマの楽しさ、日本のモノづくりの底力の一端を、東京から国内外に発信できたと思います。今後も、未来のクルマ社会がより魅力的なものになるよう、皆で心を合わせて努力して参ります」との談話を発表。このイベントが、いかに自動車業界にとって重要であるかが伺えるコメントだ。
あと33%