
新聞や雑誌などのメディアに頻出の企業・商品のリリースについて、配信元企業に取材し、その広報戦略やリリースづくりの実践ノウハウを紹介する「リリース道場」。今回は、寺田倉庫の「保存食カフェ」のオープンを伝えるリリースを紹介します。
保存食にスポット
今月は、飲食店プロデュースを手がける私としては、興味引かれるリリースを見つけました。運河の街・天王洲にある寺田倉庫が、保存食をその場で飲食できるカフェバールをオープンしたというのです。
寺田倉庫は1950年にスタート。もともと運河の荷降ろし業務からスタートし、生鮮食品などを扱ううちに保管業務が派生していきました。米などは保管に適しているように見えて温度や湿度の管理が難しく、そのノウハウを武器にして保管業務に特化してきました。これまでにも倉庫を改装してお洒落なビアレストランを展開するなど、飲食店経営には実績があります。そんな中で今回、なぜ保存食にスポットを当てたのでしょう?
「もともと保存食商品を預かっていたというわけではないんです。当社は保存や保管の技術に力を入れることで他社との差別化を図っており、会社のスペースを再活用する話が持ち上がったとき、保存の技術力のある会社なんだから保存食に特化した店にしてみてはどうだろう、という原点回帰の発想から生まれたんです」と広報・催事部部長の福島隆顕さんは説明します。
保存食というとパッと思いつくのが災害時用の食品ですが、この「Terra Cafe Bar」ではジャムやピクルスなども扱い、もっと広義で保存食を捉えています。店内にはレンジやポットがあり、その場で冷凍のパンやフリーズドライのスープなどを味わうこともできます。