影響力の大きいテレビや全国紙だけでなく、専門メディアに注目すべき理由とは何か。広報担当者が直面する課題と、それに応える専門メディアの活用法。ベテラン広報担当者たちに、その考え方とノウハウを聞いた。
前回:専門メディアが応える4つの広報課題(2)確実な露出、社内啓蒙につながる
図3 幅広い業界企業のキーマンに取材している専門メディアから学ぶことは多い
専門メディアの記者たちは、競合や取引先など業界内のさまざまなキーマンに会い、取材している。業界における自社の評価をフィードバックしてくれることも。
3. 一方的な提案になりがち
業界における自社評価を得る
競合情報の収集も
広報部門は社会の窓と言われるが、経営層や事業部、営業部門など社内にフィードバックすべき情報が多いのも、専門メディアの特徴だ。
多くの取材先が、担当年数が長く、業界情報を広く、深く、いち早く知っている業界紙記者の情報網を頼りにしていると口にした。「自社製品に関わるカテゴリーの特集を1年かけて、ひと通り実施する専門メディア。その取材に立ち会うだけでも勉強になります」と話すのは、エステーの中村広報部長。その理由は2つある。1つ目は、自社商品を深く知るきっかけになること。取材内容は開発秘話であることも多く、新商品に関するより深い情報を得られるチャンスだ。もう1つは、業界の動向、その中における自社の評価やポジションを知ることができるため。直接取材に答えるのは、マーケティング担当者や開発担当者。その発言と、それを受けて記者がどのような質問をするのか。そのやり取りから、記者の興味範囲はもちろん、他社の動きをどのように踏まえ、エステーの戦略を聞いているか、ということが理解できる。