アパレル大手のストライプインターナショナルは社長決断の下、2011年より「働き方改革」に着手した。定時退社や会議半減、休日増の実行などで従業員の満足度が高まり、実際に離職率が下がるといった成果をあげている。同社取締役兼CHOの神田充教・人事本部長に話を聞いた。
社内ソーシャルネットワーキングアプリの導入で離職率半減
─全社で定時退社を導入しつつ、毎年10%の売り上げ増と店舗増を達成しているとして、ストライプインターナショナルの働き方改革は注目を集めています。「最大の財産は人材」とうたっていますが、その認識に達したきっかけは何だったのでしょうか。
「最大の財産は人材」の意味するところは、いわゆる「ES(従業員満足)イコールCS(顧客満足)」と一緒であり、事業発足当時から会社が大事にしていることです。
では、なぜ「最大の財産は人材」と捉えているのかといえば、従業員同士の関係の質を高めることで従業員満足が高まり、そのことで店舗の雰囲気も明るくなるからです。接客に代表される、店舗で従業員がユーザーに提供するサービスの質が上がれば、売り上げの増加にもつながります。つまり、関係の質を高めれば結果の質も向上する、ということです。
─では、従業員同士の関係の質を高めるために、どのような取り組みをされていますか。
たとえば、2015年に社内向けコミュニケーションアプリ「amily(アミリー)」を開発し、全社に導入しました。上司や部下に関係なく、従業員同士がお互いのことをよく知れるようにすることが目的です。従業員各自のスマートフォンにインストールすると、誰でも全社員約3000人の顔と名前を一覧で見ることができ、相互にメッセージを送ることも可能です。
「アミリー」の機能のひとつに、お互いに拍手を送り合う「パチパチ」があります。アプリの仕様がオープンなメッセンジャーとして設計されており、そこでのやりとりは誰でも見ることができます。従業員の誕生日には「おめでとう」といった具合に、ポジティブなメッセージが行き交っています。アプリが社内の風通しを良くし、従業員同士の結びつきを高めることに貢献できていると考えています。
アプリ導入のきっかけは ...