実店舗の未来を担う1980年世代の店員に聞いた「接客術」
店舗のブランドをつくる存在として期待されるのが、1980年代生まれの店員たち。次世代を担う彼・彼女らに聞きました。
来店理由が「人」になる時代 接客の販促効果
スポーツ用品大手のデサントは、全国に約170店舗を展開している。ここでは新規顧客獲得のための取り組みや再来店を促す施策、旗艦店の活用について聞いた。
販売員から顧客に向けて送るお礼状。半年前から準備することもあるという。
他社の人と会った後、一本メールを入れる習慣のある人もいるだろう。デスクに一筆箋を欠かさない人もいる。「お友だち申請」ではちょっと軽い。しかし手紙となると、筆まめな人がうらやましくなる。
スポーツ用品ブランドのデサントが、とりわけ力を入れているのが、手書きでお礼を伝える手紙だという。理由のひとつには、リピート率の向上がある。
一般に百貨店流通では、紳士・婦人服業界のリピート率は6割ほどだが、デサントのようなスポーツ用品業界は平均で2割~3割ていど。こうした状況を改善するため、お客さんに接客のときのエピソードなどを添えて、お礼状を出してみるのはどうか。「というようなことを掲げて、やってみよう、となったんですが、なかなか浸透しなくてですね…」と語るのは、デサント販売促進部の林賢司課長だ。
「店舗から反発を受けることも多々ありました。忙しくてできない、と」いかに正しい理念でも ...