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来店理由が「人」になる時代 接客の販促効果

実店舗の未来を担う1980年世代の店員に聞いた「接客術」

店舗のブランドをつくる存在として期待されるのが、1980年代生まれの店員たち。次世代を担う彼・彼女らに聞きました。

Q1:接客で意識していることは?

Q2:店舗として抱える課題は何がある?

Q3:来店促進や店舗づくりでの工夫は?

Q1:接客で意識していることは?

インターメスティック 山形氏

接客を通して商品をより魅力的に演出し、購入に至るまでのプロセスからアフターサービスまでも安心していただける、商品の付加価値になりうる存在でありたいと思います。

お客さまによって変化する要望にはマニュアル通りにはいかないことも多く、正解は一つではないし、正解が存在しない場合もあります。私は正解を探すことよりも、お客さまへの興味・関心を絶やさず、顧客満足への追求が必要と考え、お客さまが思わず話したくなるような親しみやすい接客を心がけています。

また、私には、お客さまが自分を映す鏡のように感じることがあります。見返りを求めず、思いやりの気持ちや感謝の気持ちをお客様に伝えることで、お客さまを通して優しさが自分に返ってくるような感覚。接客をしていることで、私の存在価値を感じられます。

エー・ピーカンパニー 田島氏

バランスです。エー・ピーカンパニーの営業に関わるスタッフの大きな特徴として、「お客さまを喜ばせる」ことが「自分の喜び」と感じるスタッフが多いです。レストランサービスを徹底することよりも、お客さまを喜ばせる(サプライズなどの)サービスに意識が行きがちになってしまうことがあるため、飲食店サービスの基本の徹底をまず優先に、お客さまにご不満やご負担の生まれない状態を作り出すことを基本として考えるようにしています。

ドロキア・オラシイタ 青山氏

接客の基本となる「笑顔」や「明るい声」は出来て当たり前ですので、プラスアルファの要素として、ご来店されたお客さまの「背景」を考えて接客するようにしています。

どのようないきさつでPABLOにご来店いただき、ご購入いただいた商品たちはどのような笑顔と会話に囲まれてお召し上がりいただくのか、お客さまとの会話の中でイメージを膨らませながら、商品をご提案するようにしています。

昨今はインターネット販売や自動販売機など、欲しいものがすぐ手に入る便利なサービスがたくさんありますが、お客さまとクルー(従業員)の間で生まれる心からのおもてなしは、店舗でしかできない接客サービスであると思います。

BEAMS 藤尾氏

お客さまにお買い物を楽しんでもらうこと。基本中の基本、初心者みたいなことを言いますが、忘れてはいけない一番大事なこと。いくらWebコンテンツが充実しようが、これだけは人の手にはかなわない。あれやこれや言いながら、何度も着替えていただいて「こちらの方ほうがお似合いですね!」「普段だと選ばない、こんなパンツはいかがですか?!」と、のんびりと会話の時間を楽しみます。

接客にかける時間とその日の売り上げを見れば、決して効率の良い接客とは言えません。1時間ほどお話をして、シャツ1枚のお買上げ、なんてことは日常茶飯事ですが、そのようなお客さまは必ずまた来てくれる。目の前の売り上げだけに捕らわれず、長期的なビームスファンになっていただくことが必要だと考えています。

ポーラ 安部氏

AIが人に代われる時代、販売員が要らない時代と言われる現状で、私たち美容部員の存在価値とは何か。私たちの仕事は、「お客さまがキレイになるお手伝いをすること」です。

せっかくポーラブランドを手にとってくださるのなら、ただ使うのではもったいない。使いたくなる気持ちが高まり、キレイへの一歩をワクワクした気持ちで味わっていただきたい。同じ商品を使うのでも、ただ説明書を見て使うより、なぜこの商品がこんなにも良いのか、ヒストリーやメカニズムを知り、感触を確かめ、納得して使っていただくことで、効果も変わってくるのではないかと思っています。

エイアンドエフ

実店舗の接客として差別化を図るのは、会話による発見と納得と感じています。商品の基礎となる商品知識だけでなく、利便性や使い勝手、経年変化、メンテナンスなどの商品がお客さまの手に渡った先にあるイメージや人を介した生きた情報提供により、お客さまが商品の魅力を感じ興味が湧くような接客を心がけています。そこには想像しなかったお客さまと商品の出会いがあるかもしれません。

お客さまのニーズを備えた商品を分かりやすく説明しお客さまと商品を結び付けること、商品の知識と共に使用イメージを具体的に説明することが購入動機に結び付くための納得を生むと感じ意識しています。

Q2:店舗として抱える課題は何がある?

インターメスティック 山形氏

質の良いサービスに欠かせない人材の確保と教育です。メガネ販売はデザイン・機能・流行といった商品スキルだけでなく、眼鏡知識も必要となりすべての販売業務に一貫して携わるにはさまざまな研修が必要となります。働く目的・目標・考え方は人によって異なるものではありますが、お客さまに気を配る気持ちはブレてはならないもの。常にホスピタリティの精神を持つ上で、従業員が心身ともに健康であることは重要です。体力的に精神的に無理のない勤務体制の下で気持ち良く働ける環境づくりは日々の課題でもあります。

お客さまのライフスタイルに合わせた提案や、眼の調子に不安や悩みを抱えたお客さまに寄り添うような接客などができるスタッフはまさに資産とも言え、そのようなスタッフを多く育てることは会社の成長を強くけん引するものだと考えます。

エー・ピーカンパニー 田島氏

お客さま個々人の背景や意をくむように教育をしています。店舗ごとにお客さまのお好みや、ご利用シーン、接客を通したトピックスなどを記載し情報共有するツールを持ち、店舗スタッフのどのメンバーが対応しても、お客さまの好みや必ず頼むメニューなどを提供ができるよう努めています。

ドロキア・オラシイタ 青山氏

全従業員がホスピタリティあふれた高いレベルの接客を提供できる店づくりが課題であると感じています。研修を通じて接客サービスについて教育することはできますが、全員がホスピタリティを理解し、楽しんで実践するには研修だけでは難しいのが現状です。

クルーにも一人ひとり個性があるので、お客さまの背景を探り、喜んでいただくことを「楽しい」と感じるには時間の積み重ねが必要となります。ある程度は研修で、実践は実店舗の経験を通じて学ぶことが大切だと思っています。

BEAMS 藤尾氏

気持ちの良い送迎のあいさつが必要だと感じます。私はふだんからさまざまなショップを見て回りますが ...

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