ソーシャルメディアでの合計フォロワー数は10万という、次世代カリスマ店員の「ひかぷぅ」こと水嶋ひかるさん。出勤予定をアップすれば、彼女に会おうとファンが所属するブランド「Swankiss(スワンキス)」に足を運ぶ。若者たちをとりこにする彼女の魅力とは何なのか。また、ソーシャルメディアの活用について聞いた。
現在のカリスマ店員は会いに行けてすぐ手が届く存在
─店員さんに会うことが来店のきっかけになっているという実感はありますか。
そうですね。当店だけでなく、スタッフ目当てで来店されるお客さまは多いと思います。1990年後半くらいに、「カリスマ店員ブーム」があったことは知っています。ファッション誌なんかによく取り上げられたりして、手の届かない、あこがれみたいな存在だったとか。所属するブランドのお洋服を着て、メディアに出れば服が売れた時代だったと聞いています。
それといまとでは、ちょっと違うと思っています。いまはどちらかというと、「インディーズ系の地下アイドルとファン」みたいな感覚があるんじゃないでしょうか。お客さまとの距離がもっと近いというか。本人に会えて接客されて、しゃべってなかよくなり、結果的にブランドも好きになるという感覚です。
─コミュニケーションのとれる相手ということですね。お客さまとはどんなことをしているんですか。
「Swankiss(スワンキス)」では、購入してくださったお客さまのショッパー(買った商品を入れる袋)にサインしたり、いっしょに写真を撮るサービスをしています。
お客さまのスマホをお借りして、「○○ちゃん、また来てね~!」とメッセージ動画を撮影することもあります。もし、その動画をお客さまのソーシャルメディアに投稿してもらえたら、お客さま自身がフォロワーからの反応を見られて楽しさが広がりますし、ブランドを知るきっかけにもなります。
私は人と話すのが大好きなんですけど、お客さまから人生相談を受けることもあります。真剣に聞くようにしているので、つい踏み込んだ意見を言ったりしてしまうこともあるんですけど……。
そうなると、もはや友だちみたいな感覚ですよね。いまの時代のカリスマと言われる店員は、雲の上なんかじゃなくて、会いに行けてすぐ手が届く存在なんじゃないかなと思います。
─逆に、会いに行けてすぐ手が届からこそむずかしい、といったことはありますか?
ネットで何でも買えるのに、わざわざ来店してくださるのは、お店に行くのにかかる手間とか交通費なんかを、スタッフに会えるワクワク感が超えるときですよね。店員からすると …