ぬいぐるみで臓器移植を擬似体感
ぬいぐるみをモチーフとして臓器移植問題についての意識を促す「Second Life Toys」キャンペーン。悲惨さに焦点が当たりがちな「臓器移植」というテーマに、ポジティブな語り口を見出したことで、国内外から注目を集めた。
「 ソーシャルグッド」な視点を取り入れた広告が広告賞などでも注目されるようになった一方で、単なるPRやイメージアップのためのソーシャルグッドに対する批判も起きるようになってきた。課題と本気で向き合っているのか、背景にどんな思想があり、施策は人を動かせるものになっているのか。企業のキャンペーンの場合、ブランドと正しく結びついているのか。そうした視点が以前よりも問われるようになっている。
また、多様なバックグラウンドを持つ社会的マイノリティの存在に関心が持たれるいま、コミュニケーションの力で世の中のステレオタイプの意識を変え、マイノリティをエンパワーする新しい表現も次々と見られるようになってきた。
今回の特集では、社会課題に光を当て、多様な人が生きやすいダイバーシティ時代の表現にチャレンジするソーシャルクリエイティブの事例を紹介する。
ぬいぐるみをモチーフとして臓器移植問題についての意識を促す「Second Life Toys」キャンペーン。悲惨さに焦点が当たりがちな「臓器移植」というテーマに、ポジティブな語り口を見出したことで、国内外から注目を集めた。
「COGY」は「足が不自由な人に足で漕いでもらうことで、リハビリ効果も見込める」というこれまでになかった発想の車いす。この車いすを普及させるため、ソーシャルスタートアップ、ベンチャーキャピタル、エージェンシーの3者が手を組んだ。
マッキャンエリクソンのプランニングディレクターとして活躍していた藤田正裕さんを突如襲った難病ALS。藤田さんは自らALSの認知向上と治療法確立のための一般社団法人「END ALS」を立ち上げた。以来6年にわたって、有志チームと共にメッセージを発信し続けている。
NPOにとって「コミュニケーション」は理解者や協力者を増やし、活動を広げていくための重要なテーマ。電通ではNPOとタッグを組み、広告で培った「伝えるコツ」をNPOの現場に提供する支援活動を10年以上続けている。
昨年6月、東京メトロ表参道駅の構内に突如登場した、日本に暮らす難民の写真展。仕掛けたのは、フォトグラファーの宮本直孝さんだ。これまでもロンドンパラリンピック選手の写真展などを開催してきた宮本さんに、写真家としてこうした活動をする理由を尋ねた。
ここ1,2年、女性を登場させた広告で「炎上」が相次いでいる。ジェンダーの意識が世界的に大きく変わる中で、広告の表現にはどんな変化が求められているのか。ジェイ・ウォルター・トンプソン・ジャパンの調査チームに聞いた。
ステレオタイプではないジェンダーの表現、マイノリティを勇気づける広告表現とはどのようなものか。