ステレオタイプではないジェンダーの表現、マイノリティを勇気づける広告表現とはどのようなものか。女性や男性の新しい描き方に挑戦した広告、LGBTをターゲットとした広告事例を、最近の事例から紹介する。
Audi
「The Doll that Chose to Drive」
アウディの「運転席」を選んだドール
昨年のクリスマスシーズンに放映されたアウディのCM。舞台は閉店後のおもちゃ売り場。ピンクの馬車に乗っていたドールは、退屈そうに車を降りる。目に入ったのは、向かいの男の子のおもちゃ売り場に並ぶトイカー。その中で彼女が目を留めたのは、青色のアウディだ。さっそうと運転席に乗りこみ、自由なドライブへ出発する。「遊ぶことも、ドライブすることにも、性別による差なんて存在しない」がこのCMのメッセージ。アウディでは、CMの公開に合わせ、このトイカーとドールも実際に制作している。
- 企画制作/PROXIMITY Barcelona
SheShouldRun.org
「See Joan Run」
幼少期からの意識づけこそが大事
『Fun with Dick and Jane』はアメリカで1950年代から長く読み継がれている絵本シリーズ。同国での女性の政治進出を推進するNPO「SheShouldRun.org」では、女性の議席数が19%に留まっているという問題への社会的関心を高め、女性に立候補という選択肢を訴えるために、新たな絵本『See Joan Run』を制作した。絵本の中では、女性の主人公であるJoanが …