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社会課題の解決に挑むクリエイティブ

コミュニケーションの力で難病ALSに挑み続ける運動体

END ALS

マッキャンエリクソンのプランニングディレクターとして活躍していた藤田正裕さんを突如襲った難病ALS。藤田さんは自らALSの認知向上と治療法確立のための一般社団法人「END ALS」を立ち上げた。以来6年にわたって、有志チームと共にメッセージを発信し続けている。



動画「I’M STILL」
藤田ヒロさん自身がデッサンモデルとなり、Webで募った参加者が絵を描くイベント。

「広告業界にいる自分がALSになったのは何か意味がある」

車いすの上で呼吸器をつけじっと横たわる男性。その姿を真剣に見つめスケッチする人たち。会場の外では、通行人が足を止め、不思議そうな顔をして中の様子をうかがっている――。この動画のタイトルは「I'M STILL」。『静物』画の「STILL」と「私は『まだ』生きている」の「STILL」の2つの意味を掛け合わせたタイトルだ。モデルを務めた藤田正裕さんは、体中の筋肉が徐々に衰えていく難病ALS(筋委縮性側索硬化症)を、マッキャンエリクソンの広告プランナーとして活躍していた2010年、31歳になる直前に発症。自らALSの認知向上や治療法の確立を働きかける一般社団法人END ALSを設立し、闘病しながら今も活動している。

メンバーは、マッキャンエリクソンを含むマッキャン・ワールドグループの有志を中心に、電通や博報堂、NHKからも思いを持った人が集まり、今では会社横断で集まった約40人で構成されている。これまでALSについて伝えるためのCM制作、トークイベントへの出演、ランイベントの実施、Web での情報発信、書籍の出版、番組への出演など、さまざまな活動を行ってきた。常に企画の中心には藤田さんがおり、メンバーとディスカッションを重ねながら、企画を決定している。

「広告業界にいる自分がALSになったのは何か意味がある」。活動の中心には藤田さんのこうした思いが存在している。藤田さんと同期入社で、END ALSメンバーの同社アートディレクター 蔵田泰明さんは「同じ業界で同じ志を持って働く仲間がALSになったことが悔しいし、何かしたいと思いました。社内に限らず、同じ思いを持ったメンバーが集まっています」と話す。

END ALSのミッションは、世の中にALSを広く知らしめることで、
(1)治療法の確立に貢献する
(2)ALS患者の生活向上を支援する
の2つだ。「END ALSはヒロ(藤田さん)1人が中心にいる団体です。ALS患者と一口に言っても当然、1人ひとり、病気や生きることに対する考え方が異なります。ヒロ個人の気持ちをコアにして、クリエイティブを生み出すほうが強く鋭いものが生まれるという考えで、私たちは活動しています」と同社クリエイティブマネージメントの尾崎千春さんは話す。

ALSの特徴の1つは、病状の進行が極めて早い点だ ...

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