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注目のU35クリエイター デジタルネイティブの仕事と思考

世の中に「最高」と思ってもらえる広告をつくり続ける

CREATIVE TABLE 最高

日清食品「どん兵衞」のマンション広告や「どん兵衛 肉うどん」のビジネス書風広告、ロッテ「クーリッシュ」、資生堂「レシピスト」#たおりゅうなど、話題の広告をつくってきたメンバーが結集したのが、博報堂のチーム「CREATIVE TABLE 最高」(以下 最高)だ。リーダー 小島翔太さんをはじめとする9名のメンバーは全員平成生まれ。それぞれ所属は異なるが、案件に応じて「最高」として活動する。メンバーは皆「このチームだからこそ実現できることがある」と話す。

CREATIVE TABLE 最高
上左より
小島翔太(クリエイティブディレクター)2012年入社
小暮菜月(アートディレクター)2012年入社
神林一馬(クリエイティブディレクター)2013年入社
中左より
野田紗代(アートディレクター)2013年入社
杉山芽衣(プラナー)2014年入社
小渕朗人(プラナー)2015年入社
下左より
荻原海里(アクティベーションプラナー)2016年入社
廣田陽子(CMプラナー)2016年入社
中田みのり(コピーライター)2019年入社
※上記肩書きは本プロジェクトチームにおける運用として適用。

平成生まれ9名で結成したチーム

──「最高」が結成された経緯を教えてください。

小島:正式な立ち上げは2019年12月になりましたが、1年前に弊社の役員から話をいただき、僕を中心に9名のメンバーでチームを組みました。その背景には、仕事での戦い方が変わってきたことがあります。従来であれば、第一線にいる名のあるCDが広告会社から独立して、その人の名で仕事をするケースが多かった。しかし近年は個人ではなく、強い特徴を持ってチームでバリューを出すことで、業界内のポジションを獲得するクリエイティブブティックが登場しています。その中で博報堂として、これまでとは違う形でバリューをつくるチームとして始動しました。

お話をいただく以前から、僕は年次が上のCDにつくのではなく、自分がCD的な立場になり、同年代のメンバーとチームを組み、個人が立つのではなく、チームとして仕事を進めてきました。僕らのチームは全員平成生まれなのですが、かつてのように師匠の下で何年も修行をしてから独り立ちするというやり方とは違うアプローチをしたいと考えています。実際にチームの一人、神林一馬は入社2年目に自分がCDを務めた広告でTCC最高新人賞を受賞しています。

それから、コピーライターだからコピーを考える、アクティベーションプランナーだからイベントを考えるというような役割分担はしません。一番よい形で課題解決するためには、役職、年次に関係なく、誰がどんなアイデアを出してもいいという進め方をしています。

荻原:一生懸命企画や戦略を考えて、世の中にクリエイティブを出したのに、頭でっかちになりすぎていて、実は全く届いていないということを避けたいと思っています。つくるからには、世の中に「最高だね!」と言ってもらえるものにしなければ意味がないと考えているのが、このチームです。

小島:世の中の人にとって「最高だね!」という感覚をつくるべく、チーム名に掲げたのが「CREATIVE TABLE 最高」です。僕らが上の世代と明らかに違うのは、例えばこの仕事はCMよりインスタのストーリーを使うべきだ、というようなことを肌感覚として持っていること。というのも、僕らはSNSネイティブ、デジタルネイティブ、スマホネイティブ。そういう感覚が身についているからこそ生まれる企画があると考えています。

野田:このチームでは自分の肩書きに関係なく、いま向かっている仕事に対して本質的にいいものを考えます。私はアートディレクターですが、企画もコピーも出す。それがデジタル施策になることもあれば、動画になることもある。通常の仕事だと肩書きや役職で縦割りになるけれど、このチームではメンバー全員がフラットに課題に臨みます。だから、イベントチームだけ集まって、という分科会的なことはしません。それからCDとして小島がいますが、最終的な案は小島がすべて決めるわけではないんです。とにかく一番いいものをみんなで徹底的に議論して決めます。

杉山:肩書きは、いわばその人の得意分野。議論する際に、あえてその道のプロをチームに呼ぶのではなく、いつでも気軽に聞くことができるのも、このチームならでは。

小島:いまチームメンバーは1年目から8年目までの年次が揃っていて、若くて元気がいいので、2番目、3番目のチームとしてプレゼンに呼んでもらえる機会も増えました。僕らは以前に担当していたチームのしがらみにとらわれることもないし、世の中で流行っていることを肌感覚で語れるので、重宝されるのかもしれません。

杉山:自分たちの言葉で正直に話すから、クライアントにも何かしらの爪痕が残せているのではないかと思います …

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