人気アーティストSHISHAMOの最新楽曲「またね」とサントリー食品インターナショナル(以下、サントリー)の『なっちゃん』がコラボレーションした短編映画『またね』が2019年秋、YouTubeで公開された。20代の監督として注目を集める松本花奈さんが監督・脚本を務めたこの映画を企画製作したのは、ネット映画レーベル「37.1° 微電影(ナナドイチブ・ビデンエイ)」だ。
SNSと対極にある映画をYouTubeで公開
「微電影とは、中国語でインターネットでの視聴を前提とした無料の映画のことです」と話すのは、レーベルを立ち上げた鈴木健太さん。10代の頃から映像ディレクターやグラフィックデザイナーとして活動してきた鈴木さんは2019年に電通に入社。プランナーとして広告の仕事も手がけている。この「37.1° 微電影」(以下、微電影)は鈴木さんの発案で、コンテンツスタジオCHOCOLATE Inc.と映画の配給・宣伝を主に手がけるスポッテッドプロダクションズの協力のもと立ち上げた。
「小さい頃から映画が大好きで、映画監督になりたかったんです。その衝動から、高校時代にインターネットで知り合った松本花奈さんや友人と共にKIKIFILMというチームを立ち上げ、自分たちのつくった短編映画をネット上に公開していました。その頃、友人から『今とても盛り上がってる映画祭があるよ』と教えてもらい、MOOSIC LABに出会いました」と、鈴木さんは話す。
「MOOSIC LAB」とは、スポッテッドプロダクションズ 直井卓俊さんが2012年に立ち上げた、新進気鋭の映画監督とアーティストの掛け合わせによる映画制作企画を具現化する音楽×映画プロジェクトだ。その基点は音楽にある …