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「全国がん登録」の理解を促すアワードから生まれたポスター

「サンキューバトンアワード-全国がん登録・統計広告賞-」は、「全国がん登録」の仕組みについて理解促進を図るため、2016年に開催されたデザインとコピーのアワードだ。2624点の応募作品の中から金賞を受賞した作品が、4月2日からポスターとして東京メトロと全国のがん診療連携病院内で掲出された。

コピー部門金賞「データは、エールになる。」を使用したポスター。ボディコピーは、審査員ディレクションのもと、受賞者の山中彰さんが書いている。

賛同に向けたステップを重ねる活動

日本では、がんと診断されたすべての人のデータを病院などが報告し、都道府県を経て国が集計、分析する「全国がん登録」という仕組みを2016年から実施している。しかし内閣府の調査によると、この仕組みの認知率は10%台に留まっていた。

そうした状況を受け、国立がん研究センターは理解を促す活動の一環として「サンキューバトンアワード-全国がん登録・統計広告賞-」を同年に開催。「みんなが同じ方向を向き、賛同を得る」ことをテーマに、「シンボルマーク」「コピー」「ポスター」の3部門で作品を募集し、各部門の金賞・特別賞が2016年に決定した。

今回はその中から、コピー部門で金賞を受賞した「データは、エールになる。」を使用したポスターと、受賞者であるアドパブリシティ コピーライターの山中彰さんが新たに開発したコピーを使ったポスターが制作された。山中さんは「制度が複雑かつ新しいので、あれこれ説明するのではなく、まずは意義が伝わるよう、前向きでシンプルな表現を心掛けました。ボディコピーは制度に人格を持たせるような、温度感のある語り口を目指しました」と話す。

受賞作のほかに新しく書き下ろした10点のコピーから、同研究センターでのヒアリングに参加するがん患者の方々の意見を参考に、採用コピーが選定された。「患者さんの立場から考えると、情報が漏洩しないか、有効に活用されるのかという不安があります。今回のポスターが仕組みの理解につながり、国民に支援される事業になることを目標にしています」と国立がん研究センターの松田智大さんは言う。

今後も同研究センターではPR活動を継続していく予定で、「今回のアワードでは発信のためのアイデアが集まっただけでなく、応募作品からは仕組みの理解しづらい点と、期待してもらえている点が浮き彫りになりました。これからも理解、賛同を得られるよう、少しずつステップを重ねていきたい」と松田さんは語った。

10点のコピーの中から選ばれ、制作されたポスター。

がん患者の方へのヒアリングをもとにつくられた「全国がん登録」に関するQ&Aを活用したポスター。

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